登校早々に茅野カエデと言う可愛らしい女の子に、この後、全校集会があるという事を聞かされた。しかも最悪なことに、この集会は月に1度あるんだとか…。


『全校集会、か。分かった、ありがとう茅野さん』


営業スマイルを浮かべ、そう答えると驚かれた。いや、なんで驚くの!


「な、なんで名前知ってるの!?」

『あ、あぁ…昨日、殺せんせーが出席取ったでしょ?その時に覚えたの』

「うそ…すごい!!私のことはカエデでいいよ!私も名前で呼んでもいい?!」

『喜んで。宜しくねカエデ』


私の言葉に笑顔で頷き、るんるんと彼女は自分の席へ戻って行った。その後ろ姿を見て、思わず頬が緩む。
それにしても集会か…出るか?いや、答えはNOだ。全校生徒が集まる場所なんてもってのほか。
絶対に嫌だし、変に顔を覚えられても困る。そうと決まれば逃走しよう。いい天気だしそのへんで一服でもしてよっと。


烏間にバレたら、どやされるんだろうが関係ない。集会なんざに行くくらいなら、どやされた方が何十倍もマシってもんだ。


ポケットに目的の物がある事を確認して、集会に行くであろう生徒達に混じり教室を出た。


「あれ姫龍さん、おはよう。どこ行く…んですか?」


ワァ…早速バレたよ素敵だね!!…まあ、体育館への道はあっちで、私が行こうとしてるのは、中庭の方だもんね。そりゃ不審に思うよね!


『あー…潮田君、おはよう。敬語じゃなくていいよ、気軽に名前で呼んで。
えっと、今から集会でしょ?全校生徒が集まる場所は、行きたくないので逃走中』

「あ、アハハ…わかった。僕のことも渚でいいよ。じゃあ、遊乃さん見つからないように気をつけてね」


苦笑いしながらも手を振る渚!なんて良い子なんだ!そして可愛い!癒されたし逃走再開。渚に手を振り返し、目的の場所へ向かった。


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