生徒は沢山居るのに静まり返った教室内。それもただの教室内とはわけが違い、誰もが片唾を飲み廊下から聞こえる、ペタン、ペタンという足音を真剣に聞いていた。

足音がドア前で止まりそのままドアを開き、供託に立った人物のその姿は子供番組に出てくるような宇宙人だ、と言っても過言ではない容姿のなにか。もはや人物と言っていいものかと頭を抱えたくなる。


「HRを始めます。日直の人は号令を!」


号令…それは本来、授業やHRを始めるための合図。だが、このE組では少し……というかだいぶ違う合図、基号令が始まります。


「き、起立ッ!!」


緊張から上擦った言葉に、私を含めたこの場に居る全員が銃を構え立ち上がった。その矛先は、私達クラスの担任の先生。ニマニマとバカにするような表情で、私達を見つめている。他人が見たら何事だと、教育委員会やら校長先生やらに問いただしに行く光景だろう。

それほどに…異様なことだ。


「れ――――――い!!!」


そして静かだった教室が嘘のように、一斉に辺りを銃声で満たし響きわたらせた―――



"僕らは、私らは…殺し屋"


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