Prolog



「お前!だれだ!」

「えっ、あ、え、と……ノーラ・コット」

「そうか!おれはルフィだ!お前みねぇ顔だな!」

「あ、うん、お昼くらいにこの村に来たの」


突然話しかけてきたルフィとやらは、自分から聞いておいてさほど興味も無さそうに頭をかいて「ふーん」と呟いた。


「えっと、ルフィ?はこの村の子……だよね?」

「あぁ、そうだ!」

「わたし、ここにしばらく住むんだ。良かったら友達になってくれない?」

「いいぞ!友達になろう!」

「あ、ありがと……えっと、フーシャ村って言うんだよね?良い村だね」


私の言葉にルフィは眩しいくらいの笑顔で、にししと笑い得意げに頷いた。そしておもむろに私の腕を掴んで「案内してやるよ!」と軽快に足を早めた。


ルフィと友達になってからは、それはそれは時間なんてあっという間に過ぎていった。酒場の綺麗なお姉さんマキノさんとも、知り合いになれたし、木登りも教えて貰った。

最初は難しかったけど、コツを掴めば簡単なもので高すぎなければ楽に登れるようにまでなった。


何日か過ごしていて死ぬほど驚いたことがある。ルフィの腕が伸びたことだ。あれを見た時は本当に心臓が止まるかと思った。というか止まりかけたよ、うん。

ルフィの話によると、海賊のシャンクスって人から貰った(?)悪魔の実というものを食べてゴムゴムの実の能力者とやらになったらしい。世界は広いなって思った。

後は、ルフィに私の得意な歌を教えたり一緒に踊ったり、花冠を作ってあげたり。男の子は嫌がるかな?なんて思ったけど案外楽しそうだったし、褒めてくれもした。

そして、ルフィの夢を聞いた。この時ばかりのルフィはきっとこれでもかってくらい、キラキラしてた。ルフィは立派な海賊王とやらになるらしい。だから私も世界一の踊り子になるんだって二人で笑いあった。



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