花嫁修業なんて立派なものではなく
そして次に、ダダンさんを押しのけるようにして出てきたのはお目当てのルフィで、思わず声を上げればルフィは満面の笑みで私に抱きついてきた。
「ノーラ!なんでここに!?」
だが、何かを思い出したように叫ぶと私を離しエースが向かった先へと彼は走って行った。
「わりぃ、ノーラ!おれエースのとこ行かなきゃなんだ!」
「あ、え、うん!行ってらっしゃい!」
「くぉら!!クソガキ!!働かんかァ!!」
うん、ルフィが家事なんてするはずないよね。分かってた、考える暇も無く分かってたよ私は。唾を飛ばして怒鳴るダダンさんに何故か私が頭を下げる。
「わた、わたしが代わりにしますんで!」
「ふん!ったく!!……来な!」
まず小屋に入って驚いたのは、見たこともない人数の男の人たち。私を見るなり、ニヤニヤしてる人や何故か顔を赤らめ小さく手を振って来る人や興味無さげに剣を眺めている人。軽く笑って小さく手を振り返せば、何人か倒れた。もちろん見ないフリしました。
そしてまた驚いたのは、洗濯物の量。カゴ山積みが何個も置いてあり、先程の男の人たちの数を見ればそれも納得した……ママ、私に洗濯の仕方教えてくれてありがとうね。たった今、心から感謝したよ。
ダダンさんの一声に、大きく息を吐いてそれほど長くない髪を結う。袖を何個も折って肘の上まで上げ、頬をぺしりと叩いた。前、家の大掃除をした時に始める直前ママがしてた事だ。ついつい真似をしてしまっていた。でも気合いは入った。
「よし……!」
まずはカゴから全て取り出し、シャツ、ズボン、これは多分下着と靴し…うっ変な匂いした……!いや気のせい気のせいよノーラ!三つに分け、往復して外へと運ぶ。途中顔の赤い男の人が手伝ってくれたので、きちんとお礼を言っておいた。
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