接触、試みる。



今日の晩ご飯は、エースが捕ってきた焼き魚と魚の煮込んだスープにお刺身と魚づくし。飽きないように味を変えたから、多分大丈夫だとは思うけど……


「美味い!!嬢ちゃん料理うめぇな!!」

「あはは、ママのおかげです」


ダダンさんの隣で、勢い良く減っていく料理を見つめれば「もっと食え」なんてダダンさん本人が料理を取り分けてくれた。


「あ、ありがとうダダンさん……!」

「よーく働いてくれたからね。当然だ!酒持ってこい!!」

「珍しく上機嫌だ……」


こそっと、ルフィの分も取っておいたがいまだに彼は帰ってこない。だんだんと心配になってきて、チラチラと玄関の方を見つめるが扉は開く気配なし。その様子をじっと睨むように、エースが見ていたなんて誰が分かるだろうか?


自分の分と食べ終わった人の分の、食器を洗い終え広間ではダダンさんが機嫌よく(?)お酒を飲んでいる。静かに見張り台へと登れば、聞こえてくる話し声。


「死んでるんじゃないか?」

「俺らがガープに殺されちまうよ」

「あ、あの、ドグラさんマグラさん」

「おお、ノーラどうした」


ゆっくりと引き上げてくれたドグラさんに、お礼を告げ不安をそのまま口に出す。


「ルフィ、帰ってきませんね……」

「おいおい、そんな泣きそうな顔すんな」

「でも!」

「お頭も気が気じゃないだろうな……」


いや、それはどうだろう。下で豪快にお酒を飲んでいたけど、とは言えずお頭に報告だと降りていく二人に続いた。

報告しているドグラさんを他所に、ドアのそばへ座り込んだ。聞く気がなくても聞こえてくるダダンさんの話し声は、酔っていることが簡単に分かる。


暫く鼻歌を歌って待っていると、聞こえてきた足音とバタンと扉を閉める音。頭をあげれば、お風呂から上がったエースで、どきりと緊張してしまった。居ると思ってなかったのか、少し驚いた様子で私を見るも、やはりすぐに視線を逸らした。私も何も言わず黙っていればいいのだろうが、どうもそれが出来なくて無い脳みそを働かせては何かないか言うことはと巡らせる。


「お風呂上がったんだ!」

「話しかけるな」

「ご、ごめんなさい」


おっと、ド直球に嫌がられてしまった。うーん、なかなかの曲者だ。これはもう話しかけないべきなのか、それとも頑張って話しかけるべきなのか……こまったもんだ……に、しても遅いなぁルフィ……。



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