後悔なんて、ありません!
「おれは強いんだ!」
「強い?どこが強いんだ、男のくせにノーラにしがみついて泣いてばかりじゃねぇか!」
「トゲで殴られたことあんのかオメェ!!おれは七歳だぞ!!お前みたいに十歳になったら絶対泣かねぇしもっと強え!」
「おれは七歳でも泣かねぇよ、バァーカ!一緒にすんな!」
デコをくっつけ、目を尖らせ、バチバチと火花を散らし言い合うエースとルフィを見たらなんだか、少し、いや……だいぶ笑けてくる。
「ふ……ふふ、あはははっ!!あはは、っ!」
「な、なんだよ急に笑いだしたりして……って」
言い合いをやめた二人は、急に笑い出した私を見つめ驚く。二人のやり取りを見て楽しいはずなのに、瞳からはとめどなく涙が溢れてくる。
「ノーラ泣いてんのか?笑ってんのか?……いそがしいやつだな」
「オメェが言うな!!!」
「っ、ふ、わたしも、まだお礼言ってなかった。エース、サボ助けに来てくれて本当にありがとう。二人が居なかったら、きっと……殺されてた。エースとサボ、そしてルフィが居てくれて本当によかった!……ありがとうっ!!」
自然と三人に向けられた笑顔は、嘘じゃなくて、確かにとてつもなく怖い思いをしたし短期間で二度も、死ぬ覚悟をする経験なんて真っ平御免だがルフィが居て、エースが居て、サボが居て、
「ここに来て、三人に出会えて良かった……!!」
「ノーラ!!」
にっしっし、と歯をむき出しに笑ったルフィは私に抱きついてくる。傷に響かないよう、私もそっと抱きしめ返せば彼はまた楽しそうに笑った。
「ん?なんでオメェら顔赤ぇんだ?」
「「うるせぇ!!」」
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