時の流れは一瞬で。



時の流れなんて本当に本当に早くて、しかもルフィ達と過ごしているんだ。目まぐるしく、一年なんてあっという間にきてしまった。そう、私が……自分の村へ帰る日だ。

その日は久しぶりに帰ってきた、パパとママと夜を過ごした。目を覚まし、急いで顔を洗って服を着替えた。朝ごはんをかきこんで「行ってきます!」と勢い良く家を飛び出す。


「夕方までには帰ってくるのよー!」

「わかってるー!!」


後ろから投げられた言葉に振り向き、手を振りながら答えた。もはや通い慣れた森を越え、見慣れた小屋に親しんだ大好きな人達へ「おはよー!」なんて扉を開く。


「おはようノーラ」

「今日も元気だねぇ」


かけられる声に返事をして、目当ての部屋の扉を開けば案の定まだ寝ている三人。小さく笑い、起こすのも今日で最後か……なんて悲しくなってしまう。今は考えないようにしようと、軽く頭を振り「起きろー!」といつものように声を張り上げた。


「ノーラ……おはよ」

「おはようサボ!二人起こして!」

「へーい」


サボが起きたのを確認して、私は家事の手伝いに入る。寝ぼけ眼のルフィは、ぼやぼやしたまま「おはよう……」と起きてきて、私に抱きついて……寝る。そしてそんな様子のルフィの頭を引っ叩く、エース。


「ふふ……」

「何笑ってんだ」

「んーん、楽しいなって思っただけだよ」


帰りたくないな、とも思っただけ。ダダンの目を盗み、エースとサボに続いて飛び出すルフィに投げられた怒声。小さくなっていく背中達。

これももう、毎日のように思っている事だがあっという間に昼過ぎ。帰宅してきたエース達が狩ってきた昼ごはんになるであろう、大きな熊。

皆で調理して、皆で楽しく食べて、いつもなら、ここでまたエース達を見送るんだけど今日は私も一緒に家を飛び出る。帰るという事情を知ってるダダンは、何も言わずに見送ってくれた。もちろんルフィへの怒声は忘れずに。



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