兄妹達の絆



―――私、今日帰らなくちゃいけないの……


嗚咽混じりに呟いた言葉は、三人を黙らせた。「行くぞ」誰かがそう言葉を発したかと思えば、力強く腕を引かれ走る。腕の先の人物はエースで、いくら名前を呼んでも前を見続けているだけ。

他の二人も複雑な表情をしながら、エースについていく。

やっとの思いでついて行き、エースが立ち止まった先は森から抜けた大海原が見える崖だった。キラキラと太陽の反射で光る海は、言葉を忘れるほど綺麗だった。


「ちょっと待ってろ」


そう言って姿を消したエースは、5分ほどで戻ってきた。手にはお酒と盃を持って。丁度いい切り株に四つの盃を起き、そこにトクトクとお酒を注いでいく。


「知ってるかお前ら。盃を交わすと兄妹になれるんだ」

「きょうだい〜!?ホントかよー!」

「海賊になる時、同じ船の仲間にはなれねェかもしれねェけどおれ達四人の絆は兄妹としてつなぐ!どこで何をやろうと、この絆は切れねェ……!これでおれ達は、兄妹だ!!」

「「おう!」」


カツンと、盃をかわす。そう言えば海賊になる、なんて話したな。ガープさんに説得してくれって言われたあの約束……私じゃ無理だったよ。多分誰が言ってもルフィ、エース、サボは止められないんだろうな。


「じゃあ、エースとサボは私のお兄ちゃんで、ルフィは私の弟だ!」

「あぁ、だから泣くなノーラ。おれ達は絆でつながってんだ!」

「うん、うん……ッ!!ルフィ、エース、サボ…ありがとう」


ギュッと三人にしがみつけば、楽しそうな笑い声と暖かい腕が私を包んでくれた。



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