訪問者は突然に



鈍器で頭を殴られたかのような衝撃で、心臓は激しく脈を打ち続けている。呼吸が、しにくい。


「ここはな、俺の基地なんだ。誰も邪魔しない、誰も俺に逆らえない俺だけの基地だ……」

「テイサー!!!いい加減にしろ、ノーラを離せよ!!」

「……はぁ〜ぁ、喧しい犬だな。ちょっと黙らねぇと、大好きな主人の頭…吹っ飛ぶぞ」


ガチャりと音を立てて私に向けられたのは、立派な装飾で飾られた派手な銃。それを見て先程までの怒声が嘘のように、ラティは口をつぐんだ。離れてても分かるほどの殺気を放ちながら。


「くく、アハハ!!本当主人のことになれば、お利口だなァ?犬っころ。生意気な態度をしてるが、許してやる。イイコでまてしてろよ?」


さて、と口を開いたテイサーは嫌な笑みを浮かべ私を見つめた。話の続きをしようかと言ったところで慌ただしく部下の一人が扉を開き、入ってくる。


「テイサー様!!ご報告が……!」

「おいおい、邪魔するんじゃねェよ。死にてぇのか」

「も、申し訳ございません!!ノーラに会いに来たという、麦わら帽子の男と緑の頭の男があまりにもしつこく、ここに入って行くのを見たと言い張っておりまして、ノーラに会うまで絶対に帰らないと……」

「チッ」


未だ混乱してる状態の中聞こえてきた単語に、疑問が生まれた。麦わら帽子の男というのは夕方にぶつかった人のことだろう。けど緑の頭の男というのは誰だ?そもそも何故その二人はわざわざ、私に会いになんて来たんだ……?



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