突然に降り注ぐ
「ママ、パパ行ってきます!」
「行ってらっしゃい」
「気をつけるんだぞ!」
「はーい!」
ママから借りたスカーフ良し、お弁当に水筒良し。デザートのケーキ良し!走り出そうとしたところで、今日は止まる。ケーキがあるんだから崩れちゃ困るから、小走りで行こう。
いつもより遅く花畑に着けば、既に狼さんは待っていて姿を見た途端思わず走ってしまった。……す、少しくらいなら大丈夫だと信じてるよ。うん。
カバンを放り投げ、風でゆっくりと地に置いた。飛びついてきた狼さんを抱き留め、勢い余り尻餅を着いた。
「ちょ、あはは、くすぐったいよ!狼さん!」
頬を舐める狼さんを宥めるように撫でる。いつまでも狼さん呼びじゃ、なんだかなぁ……
「狼さん、名前は?……うーん、そっか。そうだなぁ……ラティ!とか!」
再度飛びついてきた狼さ……ラティとそのまま倒れる。擦り寄ってくるラティが可愛くて可愛くて、抱きしめた。
そのまま立ち上がり、ふわりと踊る。私の腕から飛び降りたラティは、足元で飛んだり回ったりと踊っていた。
「あはは!ラティ上手だね!一緒に踊り子目指さなきゃね!」
と、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
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