銀時/甘




『銀時』

「んあ?」


マガジンを読んでる銀時をなんとなく呼んでみた。気力の無い返事でもちゃんと私を見てくれたことが無性に嬉しくなって笑顔になる。


『なんでもない』

「なんだよ、気になるでしょうが」


そう言い、いよいよマガジンを閉じテーブルへと置いた銀時。欠伸を一つ零し私を見つめる。


『あー、いや、本当に呼んだだけなんだけど、………好きだよ、銀時』

「……なんだよチクショー。誘ってるんですか?コノヤロー」


ニヤリと笑い、テーブルに手をついて私の顎をすくう銀時の手は温かくて涙が出そうになる。そのまま体を押し出し机に膝をつき銀時の首元へ手を回した。唇を重ね、目を見開いている銀時に思わず笑ってしまう。


「おいおい、酔ってんのか?」

『…残念ながらシラフだよ』

「まだ真昼間だぜ、遊乃さんや」

『たまには…いいんじゃない?このまま、シちゃっても。幸い、新八も神楽ちゃんも居ないし』


オデコをくっつけ囁く。驚いていた銀時も火がついたのか、ふ、と笑い私を抱き上げた。「覚悟しなさいよ?」なんて笑う銀時も今の私からすれば獣同然。


ポツリと置かれたマガジンと銀時だけが、私の嬌声を聞いていたそんなPM14:34……。
本当に本当に大好きすぎて、頭がおかしくなりそうだ。ふざけている銀時も、真剣な銀時も全部全部大好きで、言わないけど貴方に出会えて良かったって心の底から思ってるよ。


愛してるよ、銀時。

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