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とても、とても天気が良かった。ある者は鍛錬に励み、ある者は日向に体を許し、ある者は釣りだと叫ぶそんな平和な一日だ。だが、そんな平和な時もつかの間に、ふわりと私の髪を揺らした風に違和感を覚え、甲板の手すりに身を乗り出し右手を伸ばして風を感じる。やはり何か変だ。


「ナミ!!」


オレンジ色の髪を揺らし、私の問いかけに可愛い顔をした彼女はまた、可愛らしく首を傾げた。


「なぁに、そんな真面目な顔してどうしたのよ」


その一言に、暖かい日差しにほのぼのとしてたラティや、鍛錬に励んでいた男、周りにいた者達が私を見つめた。

いくつもの視線を感じていたがナミを見つめ、海へと視線を戻す。


「風が、変。騒いでる」


そう言いナミを見るとクリっとした大きな瞳は数度瞬きを繰り返した後、スっと鋭い目付きへと変わり、私の隣へ小走りで来たかと思うと、私と同じように、否もっと大袈裟に甲板へ身を乗り出した。


「……ッ、サイクロンが来る!!」


とてつもない言葉を聞いた。頭を抱えると同時にナミは声を張り上げ、てきぱきと船員達に指示を出す。かく言う私もナミの言う通りに動いていれば、突如現れた船を覆うほどのデカい影に一瞬思考が止まる。すぐさま上を見あげればとてつもなくでかい船が、浮いているではないか。


「なんッ、え、船……」


あんなバカでかい船が浮くものなのか!?と、口を閉じるのも忘れるくらい驚いていれば嬉々とした叫びが聞こえる。


「うぉーーー!!すっっげぇー!!!」
「驚いてる場合か!!」

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