「ダメだ、ユンリ。私は決して許さない」

『ごめんなさい陛下。これだけは譲れません。貴方様にもう二度とあのような悲しみを味合わせたくないんです』

「…だが、それでも私は反対だ」

『ッ、父…上。どうかお願いです、目をつぶってください。私がコレを覚えた事で、もしもの時にヨナを逃がす時間稼ぎにもなります。身を守る為の護身術です』

「っ、〜〜ッ。……わかった」

『……ありがとうございます』


初めて父上と呼んだ。こんな場面で彼はこう呼んで貰いたくは無かっただろう。私だってそうだ。眉間にシワを寄せたまま、納得などいっていない表情で、深い溜息の後、肯定の言葉を口にした父上は黙って私を抱きしめた。

決して、血を流さないでくれ。そう私に言い聞かせた言葉を何度も頷きながら、胸に刻む。ごめんなさい、貴方が私に刃を持たせたくないことなど痛いほど気持ちは伝わってきます。

ですが、私はその気持ちを踏み躙ってしまいます。ごめんなさい……父上―――


ねえ、陛下。あの日あの時、私を見つけてくださって家族として迎えて頂いて本物の娘のように接してくれて、本当に本当にありがとう。


貴方様の大事な大事な一人娘は、絶対に私が守ります。


私の命を引き換えにしたとしても、絶対に、彼女だけは、守ります。だから、ずっとその優しい笑顔で見守っていてください。


ALICE+