02
「ん?」
俺が振り向くと、3人の生徒が緊張した面持ちで並んでいた。
いずれも身長160cm台前半でどちらかというと可愛らしい顔立ち。3人とも雰囲気が似ているのでなんだか兄弟のようだ。
……よく見ると、そのうち2人には見覚えがある。左から、たしか同じクラスのレスターとディタ、だったか。もう1人は……知らない顔だ。
3人はあの、えっと、等となにか話したいような素振りでぐずぐずしている。珍獣を観察するように3人を観察している俺の裾をリールが引っ張った。
「……ノエ、あの子、おれのクラスのやつだよ。ジル、っていうんだ」
……ふむ。知らない顔のもう1人は1年A組のジルというらしい。しばらく3人を眺めていたが話が始まる気配がないので、促してみることにした。
「えーっと、俺になにか?」
3人は肘をつつきあい、やがてレスターが前に出た。そして思い切ったように言う。
「……エトワールさん!ぼくら、エトワールさんのふ、ファンクラブを作りたいんです!許可してください!!」
「……え、なにそれ、え?なに?」
ぽかーん。
こいつらは一体何を言っているんだ。
いや、晴天の霹靂とはまさにこのことだ。
困って後ろを振り向けばアルバ、シュカ、リールはあー……、と察したような顔をしている。サーシャに至っては「むしろまだ出来てなかったんだね」とか言っている始末。
「……た、タイム!」
俺は変な汗をかきながらそう宣言し、後ろの4人に説明解説手助けを求めることにした。
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