初めての学園行事 01


「よ、予想外だった……日陰者やってた俺にファンクラブができるなんて想像もしてなかった……」
ぶつぶつと呟くアルバを、俺は意地悪ーい笑みを浮かべて茶化した。

「他人事だと思って油断してるからだ、ばーかばーか!」
「うぐ、……『ばーかばーか』って小等部のガキかお前は!……あーもう、悪かったって!」
げんなりしながら言うアルバ。

そんな俺達を眺めながらシュカがのんびりと笑う。
「大変だねおまえらー」
……ここにも他人事だと思ってるイケメンがいるな。アルバも同じことを思ったようで、頬を引き攣らせながらシュカを指さし言い放つ。

「あの3人はたまたまノエと俺が好きだっただけで、絶対シュカ派のやつも入ってくるからな!!笑ってられるのも今のうちだ!」

その言葉にシュカは笑顔のまま固まった。
「……ま、まっさかー」
語尾、震えてんぞ。

リールが押し殺したように笑いながらトドメを刺してくる。
「きっとそのうち、ノエ派、アルバ派、シュカ派で、ファンクラブ内に派閥が、できるんだね……く、ふふっ……」
「り、リールくん……そんなに笑っちゃかわいそうだよ……っ」
控えめに窘めるサーシャ、お前も笑い堪えてるの見え見えだぞ!




いよいよもって収拾がつかなくなってきたあたりで、教室にサリバン先生が入ってきた。
相変わらずナイスミドルである。この先生にもファンクラブあったりするのだろうか?

そんなことを考えながら席に着く。
サリバン先生は「ホームルーム始めるぞー」と声をかけて、クラスにプリントを配り始めた。

『高等部親睦会のお知らせ』――

初めての学校行事の知らせだった。


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