甘々な関係

「市丸隊長!お願いですから、そろそろ仕事して下さい…!」
「もうそんなんはイヅルに全部一任したわ」
「駄目です!隊長じゃなきゃいけない書類の確認とかあるんですから!」
「嫌やわ〜、そんなん見るより琥珀と遊んでたいもん。なー?琥珀」
「うんっ」
「…琥珀君」





にっこりと笑みを浮かべながらギンの言葉に素直に頷く琥珀。そんな彼女に吉良は目を細めた。





「うん、じゃないよ。君も護廷十三隊に所属する身なら…!」
「あかんで、イヅル。琥珀を叱ったりしたら。それは僕の役目や」
「そう言う隊長がそもそも原因じゃないですか……」
「何か言ったか?イヅル」
「いえ、別に…」
「?」





幼いとはいえ席官の地位にいる琥珀を諌めようと吉良は口を開くが、それをギンは許さない。彼女のすることなすことに文句を言っていいのは他の誰でもなく自分だけであると豪語した。






「琥珀〜後で餡蜜でも食べに行こか〜」
「あんみつ…!行きたい行きたい!」
「隊長!」
「ほら、僕が見なあかん書類にはちゃんと目通しといたから」
「!」





ギンに渡された書類にはちゃんと彼の字でサインも判子も押されていて、目を通した証拠が残されている。






「ほな、僕今日午後からは琥珀と出かけてくるで」
「いいのー?ギンちゃん」
「ええねんって。そや、久々に買い物にも行こか」
「うんっ」






ただ琥珀が嬉しそうに笑うだけで、ギンの心は不思議と満たされていく。彼女が喜ぶのなら何でもしてしまうギンなのであった。
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