▼ Il Giappone

やって来たぜ、久しぶりのジャッポーネ!

一般人を装うために自家用ジェットなんかではなく、公共機関である飛行機を使って来日した。
まあ、一般人に擬態とは言っても座席は当たり前にファーストクラスだけど。

部下たちは時差で日本に来るらしい。
まとめて来た方が楽なのに、とは思ったが、まあそこは綱吉の判断だろうし良いだろう。

俺の日本での愛車は雲雀の部下が既に運んで来ているらしく、停めている駐車場へと行く。
車のキーは刺しっぱなしにしているらしい。
なんて無用心なんだ。



「お、あったあった。俺のレクサスちゃん。」



駐車場でお目当の車を発見し、乗り込む。
このレクサスはもともと点検などを頼んでいたからなのか、綺麗に磨かれていた。

車に乗り込んで襲ってきた違和感。
やはり長いことフェラーリに乗っていたからなのか、この乗り心地にすこし慣れない。
こっちでもフェラーリにしようかなあ…レクサスに慣れていたのは昔の話しだし。

空港から米花町までは距離がある。
暇を持て余さないよう、お気に入りの曲を掛けながら車での移動を楽しむことにした。
やっぱレクサスは音が良いから、これはこれで捨て難いと言えば捨て難いな…。







「遠くねぇか。」



日本滞在中しばらくの間俺が住むマンションに、ようやく到着した(遠い…)。
いくら俺が運転するのが好きだと言っても、この長距離の運転は辛いものがある。
こんな距離だったのなら運転手として部下のひとりやふたり一緒に連れて来れば良かったと後悔したが、そんな後悔をしたところでもう遅い。

綱吉曰く、俺の荷物は既に到着しているらしい。
昨日の今日だったのにも関わらず、ボンゴレは本当に仕事が早いな、と感心した。
でもまあ、たぶん作業をしたのは雲雀のところの部下なんだろうけど(これが借りだとは思わない)。

オートロックを解除し、エレベーターに乗り込んで訊かされていた階数のボタンを押す。
ここ…結構な高層マンションだけど、これでっかい地震が来ても大丈夫なのかよ。
あと俺、自分の部屋でライフル構えるとかヤだよ。



「長距離飛行も楽じゃねーな。」



今日の移動は本当に長かった。
飛行時間も長かったし、運転時間もそれなりにあったから疲労が蓄積されている。

今度温泉施設でも見付けて、入りに行くか。
そんなことを思いつつ、風呂に入ることも忘れて重たくなった瞼をソッと閉じた。


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