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あれから二年の月日が経った。
現在ローは…ドフラミンゴの実の弟であるコラソンと珀鉛病を治すための旅を小さな小舟でしていた。首から下げられるカプセルに手を伸ばし、指先で触る。

「ん?ローそのカプセルには何が入っているんだ?」
「あぁ、フレバンスにいた時にもらったんだ」

タルに座っていたコラソンは興味深そうにカプセルを見つめる。
そんな視線にローは「な、なんだよ!」とまるでカプセルを守るように腕を交差し隠そうとする。
だがそんな行動がますます彼の好奇心をくすぐり、ローをこちょこちょとくすぐり、カプセルを取り上げる。

「あっ!なにすんだよ!返せ!」
「いいじゃないか!そんな減るもんじゃあるまいし」

フフーンと言いながらコラソンはカプセルを開ける。
そんなコラソンの足元では必死にローが背伸びをしてカプセルを奪い返そうとしている。
そしてきゅっと音を立ててカプセルを開いたコラソンは中に入っていたものを取り出す。

「ビブルカード…」
「…シャルからもらったんだよ」

ローは観念したように口を尖らせながらそういう。
コラソンは物珍しそうにビブルカードを見ていたが一点を見た瞬間体を請わばせる。

「お、おいロー」
「?」
「これをくれたのは…」
「あ?シャルって女の子だけど…どうしたんだよ」

コラソンはビブルカードを床の上に置くとある一点を指さす。

「M・D…?」
「…」
「これがなんだよ」
「M・D…おそらくモンキー・D…この紙の持ち主はロー…お前と同じ"Dの意志"を受け継ぐ者だ」
「モンキー・D・シャル…」
「その子はシャルというのか…俺の知り合いの友人にモンキー・Dという名を持つ者がいる…まさかここで彼の血縁者に会うとは」

コラソンの脳内には常にせんべいを食べ、義父を怒らせると豪快に笑い、自分の頭を優しく撫でてくれた将の顔が浮かび上がる。

紙は先程から船の床を這うように動き続ける。ローはその先に何かあるのかと双眼鏡を出して覗く。するとその先に一隻の船。
船首が龍になった全体的に黒い船があった。
その船が向かう先に小さな島がある。
ローはコラソンにそのことを伝えると、コラソンはその島に大きな病院があることを思いだし、進路をそこに向ける。

島につくとローは病院には行きたくないと暴れ出す。
だがそんなこと大柄なコラソンにとっては然程意味もないことだったが…。
ビブルカードをクルクルと小さく丸め、カプセルに入れ蓋を閉めローに首から下げる。
そして今だ暴れるローを片手で掴むとそのまま島に上陸する。