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父の船につけば船番をしていたメンバーに声をかけられる。

「お、お嬢ジェラートはおいしかったですかい?」
「うん、父さんは?」
「ドラゴンさんなら部屋っすよお嬢」
「どーも」

私はそう教えてくれた仲間に礼を言ったあと、奥にしまわれている船を下しておくように頼む。

「あれぇーお嬢任務すっか?」
「まぁねぇ」

そう適当に返事をしておく。
船に入り、父の部屋に行く前に自分の部屋に行く。
己の部屋は女の子というより、男の子の部屋に近く、余分なものは一つもない。
ショルダーバックをひっつかみ、着替えを数着と瓶を数個を入れる。
そしていざ父親のもとへ…

「父さん」
「シャルか…どうした」

部屋に入れば机の上で書類をさばいている父の姿が。
この父親からどうやってルフィの様な天使が生まれたのか…母に感謝だ。
そう思いながら要件を伝える。

「しばらく旅にでる」
「…」
「トラファルガー医師の息子さん見つけたの…彼も珀鉛病の患者よ」
「…残り少ない命のために行くのか?」
「それが友人でしょ?」
「そうか」

その言葉を聞き私は音を立てずに部屋を後にする。
父のビブルカードは持ってるし、もしもの時はすぐに帰れる。
外に出れば小さな小舟だが、多くて三人は乗れる船だし、小さいし、狭いがトイレもキッチンも風呂もついている船が出ていた。
出してくれた船員に礼を言い、帆を広げ自分の能力で風を起こす。
そしてローたちのいる海岸へ出港する。

船を見たコラソンさん、ローは口をあんぐりと開ける。

「お、おいシャルこれ…」
「作るわけはないよな…!まさか盗ん」
「するわけないでしょう!」

全くコラソンさんは失礼な事をおっしゃる!
二人は恐る恐ると船に乗り込む。
私は二人が乗り込むのを確認してから風を起こして船を操縦する。
その後は二人を案内する。

「ここが寝室…残念ながらベットは一人分しかないの」
「え、じゃぁコラソンはどこで寝るんだ?」
「(あ、俺すでにベットを使う権利無いのね)」

なんとなくコラソンさんの表情で何を考えているのか察し、ドンマイと心で思いながらキッチンに向かう。

「コラソンさんはあれ使って」

そういって指をさしたところにはハンモックがかけられていた。

「なるほどな…」

そういって納得したコラソンさんは楽しそうに船の中を見て回るローを見る。

「…コラソンさん次の病院は優しい人たちがいるといいね」
「…」
「珀鉛病の事を本当に理解してくれている医者」
「…そうだな」

そういってコラソンさんはキッチンに向かう。
その途中椅子につまずいてこけていたが…。