ぶらっでぃ&たまご


「なまえさん、大丈夫ですか」
「……正直起き上がれないです……ごめんなさい……今日一緒にお出かけだったのに……うう……」
「またいつでも一緒に行きましょう。だからとりあえず、お薬飲みましょうね、はいちょこっとだけ僕の肩に捕まってください起こしますから」
「う……うあ〜〜〜ううう、おなかいた、うう〜〜〜むり〜〜〜〜」
「頑張って、お薬飲んだら楽になりますから、はい」
「はい……あ、お湯、あったかいい……」
「……飲めました?」
「のめました……うう……ねむい……」
「うん、ゆっくり寝てくださいな。僕はその辺でゲームでもしてますから、何かあったら呼んで……って、どうしましたか袖引っ張って」
「てぇさむい……」
「……はい。どうぞ」
「……このままうしろから見てていいですか」
「どうぞ。この前買ったムーンですよ。今オハナ牧場のあたりです」
「ああ……そういえばそんなところあった……」
「もらったたまごがあとちょっとで還る……って、!」
「ちょうどじゃないですか、これ何のたまごだっけ……って、あ、い、いーぶい、だったっけ」
「千紘くんかなまえさんが生まれた」
「わあ……」
「あっ女の子だ、完全になまえさんですね。ニックネーム、なまえ、っと」
「ほんとにやるんですかそれ……」
「元々なまえさんが僕でやってたんでしょ。ブラッキーはなつき度進化ですよね。いっぱい懐いてくださいね」
「っ、……。……なんですかその視線は」
「もう十分懐いてるとか言ってくれそうな顔をしているなって思ったんですけど、言ってくれないから」
「なななななんでわかるんですか! もう同じ失敗は踏まないんですからね!」
「じゃあ残念です。このなまえさんをいっぱい育てて、いっぱいなまえさんを産んでもらいますね」
「パワーワードの連続すぎてついていけないんですけど! ……っう、さけんだらおなかいた、」
「あっ、早速産まれます?」
「いやですっゆづきくんさいてえ〜〜うあ〜〜」
「ごめんなさいちょっと調子乗りました。背中さするんで許してください」
「……、だ、抱き締めてくれないとゆるしません……」
「……」
「……無言でにやにやしないでくださいこれはまだ恥ずかしくないかなって思ったんです……」
「なまえさん、そういうところ本当に可愛い」
「……ゆづきくん!」
「さて、許してもらうために抱きつかないとなあ。よしじゃあいっそ布団に入ってしまおう」
「う……っ、ううー!? 後ろからっ、ひえっ、あのっ、」
「これならゲームも見えるし、あったかいからいつでも寝れるでしょう」
「よ、汚しちゃったらどうしよう、」
「そのくらい別にいいですよ」
「私が気にする……っ、うう、でもあったかい……ごめんなさい……」
「僕が好きでやってるんだから気にしないで」
「……うう、ううう、……あの、ゆづきくん、」
「ん?」
「……もう一個恥ずかしいこと言っていいですか」
「……どうぞ?」
「……預け屋さんに、その、私を預けるとき、一緒にあずけるのは、その、メタモンさんや他のイーブイじゃなくて……」
「……」
「きいろいキュウコンさんが……いいんですけど……」
「……なまえさん」
「はい……」
「突然過激です……」
「え……えっ? えっ……あ……あーー!?!? えっ私はただそのっふたりでいるのがゆづきくんがいいなって思っただけでそのようなやましい気持ちはなく! あの!」
「確かにそうですよね……ゲーム上とはいえ、他の男となまえさんが一緒にいてたまこができるなんて許せないですね。僕のデータも作りましょう」
「う、うう……ううう……!!」
「ん? なまえさんお腹痛い?」
「だいじょうぶです……ちょっとパニックなだけです……」
「そうですか。じゃあのんびりゲームやってるので、このまま寝ても大丈夫ですからね」
「……」
「……」
「……、一週間後、」
「はい?」
「いっしゅうかんご、その、待っててください……ゲームじゃなくて、その、そのぉ……」
「……なまえさん」
「は、はい」
「優しくしますね」
「お、おねがい、します……」
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