喜び

「え?!シナも仲間になるの!」
「おう。入れた」
「うおいまじかよ!」

ウソップが驚いたように声を上げた。船長はというと動じる様子もなく、平然と事を告げる。アーロンと戦ったあとの傷はまだ少し痛み、徐ろに傷口に視線を落とすと赤黒い血が巻かれた包帯をそれに染めていた。

「おい、マリモ」
「あア?」
「なんでてめえはルフィにシナは強いなんて言ったんだ?」
「そんなもん、感じたんだからよ」
「でもあいつはバラティエで戦っちゃいねえ」
「能力者だろ?あいつ」
「、…!なんで分かった」
「なんだ?おめェ初めて会った頃分かんなかったのか?」
「ああ?俺がシナのこと知らねえわけ あ る か !」
「…気が付かなかったんだな、」
「おいおいあいつらまた喧嘩してるぜ?」
「ほっときましょウソップ。あいつらはそういう関係なのよ」

ぱっと見た時、なんとなく察知したのだ。惹き付ける様な感覚は、魅力というよりもっと大きくて強いそこにあるパワーのようなものであって、身体がぞくりとした。それに細い脚首に見えたあの武器ーーーさしずめ、護衛用といったところであろう。きっと彼女はぬかりない、そういう奴であることをなんとなく勘繰ったのだ。

「おい、なんか島見えたぞ」
「ついに見えたわね…」
「ローグタウン。あそこにシナもいるぞ」
「おー!あいつあそこにいんのか」
「あそこはゴールド・ロジャーが生まれ、そして処刑されたところよ」
「海賊王が、死んだ場所…」
「さあ、シナも待ってることだし早く行きましょ」
「…!んナミさんがあっ、なんだか嬉しそうだあ!」
「ふふ当たり前でしょ!こんなに早く女仲間が出来るなんて、随分先の事だと思ってたんだから!」

向かうところに道は生まれるように、海賊達は頂点への道を今作り出そうとしていた。













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