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赤葦に引きずられながら体育館に着く。
体育以外では極力近づかないようにしていたその場所は、授業のときとは違った独特の熱気がこもっている。

ああ、だからここにはきたくなかったのに。

そんなわたしの心情なんて彼は読み取れないだろう。やっぱり帰る、と言おうとすると突然 ああーーーー!と叫び声が聞こえた。

「ななな、なんで!!赤葦が!みょうじさんと手繋いでんだよおおお!」

たまたま体育館からでてきた山本はわたしと赤葦を見るとそう叫び、泣きながら走っていってしまった。手?と思い見ると、ここまでずっと手を繋いでいたことに気付く。

「ちょ!赤葦!手!!!!」
「あ、ごめん。」

パッと離される。赤葦は平然としているが、きっといまわたしは真っ赤だろう。
赤葦と再開してまだ数分しか経っていないのに、すごく振り回されている。ああもう、と思うと今度は背の高い人がニタニタしながらこっちを見てきた。

「なに、赤葦ナンパ?意外とやるねぇ」
「違いますよ。中学の同級生です。今日試合観たいっていうんで、連れてきました。」
「そんなこといってな…!」
「へぇ。もしかしてうちのマネージャーやってくれるの?」
「や、やりません…」
「クロ、その辺にしときなよ 」

困ってる、と控えめにこっちにきたのは同じクラスの孤爪くんだった。

ぶひゃひゃと笑うクロと呼ばれる人は、まあ見学してけよと言うと梟谷の人たちの方へと向かっていった。

「孤爪くん、ありがとう」
「……別に。でも珍しいね」

なにがだろうと思うと、赤葦が人連れてくるなんて、とわたしたちから目線を外す。

「……まあ …みてきなよ、せっかくだし」

と言うとそそくさと中へ戻っていく。

「俺も行かなきゃ。みょうじ、行こう。」
「いやでも、わたしこの中には…」


「バレー、まだ好きでしょ?」


捨てれない未練


「…っ、」
「ほら、行くよ」



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