あのあと3人と別れて自分の教室に戻る。
部活に行く準備をして、体育館へ向かって歩いているとキュッキュッとスキール音がした。
もうやってるのか早いな〜なんて流暢なことを考えながら体育館を覗くと、

「え………?」

そこにはスガさん、龍、見たことない2人と、

教頭のカツラを被った大地さんがいた。

−−−−−

教頭の件は見なかったことにしてドリンクを作り始める。今日は1年生はあの2人かな、じゃあいつもと同じ本数でいいかな、と考えながら用意していく。

作り終えて持っていくと体育館の外にさっきの1年生がいた。

「君たち体育館入らないの?」

そう声をかけるとびくっ!とした2人。
いきなり話しかけたからびっくりしちゃったのかなと思いつつドアに手をかけると、オレンジ頭の子が今度はわたしがびっくりするぐらい大きな声で話しかけてきた。

「キャ、キャプテンに怒られちゃって…。それで、入れてもらえなくて……。」

「大地さん怒らせちゃったの?怖かったでしょ。」

きっとさっきのカツラ事件もこの子たちが関わっているのだろうと察し、怒っている大地さんを思い浮かべ苦笑いした。

「こんなとこでうじうじしてても始まらないよ!反省して、はやく入れてもらいなね!」

「は、はい!あの、マネージャーさんですか?」

「そうだよ!あ!はやく行かなきゃわたしが怒られちゃう!じゃあね、日向くんに影山くん!」

そう言って体育館に入ると後ろから
え!なんで俺の名前…
と聞こえてくる。
せっかくかわいい後輩が入ってきたのに、大地さんも厳しいなあと思う。まあ、何にもないのに起こるような人じゃないから、大方あの子たちがやらかしたのだろうと考える。

まあわたしが考えてもなにも始まらない。
きっとどうにかなるだろう。


行き先不安


「ねえ、龍。わたしみちゃったんだけど」
「あ?」

「教頭のカツラかぶった大地さん」
「ブフォッ!」
「ちょ、きたなーい!」
「いやお前が笑わせるから!」

「みょうじ」

「ひいっ!だ、大地さん…」
「なにを見たの?」

「いえ、……ナンデモゴザイマセン」





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