仕方ない、はやく行こう、と外に出ると、虎の雄叫びが聞こえる。
なんだと思い覗けば、女子が二人になっとる…!!なんて言ってて、相変わらずだなぁって、ちょっと笑える。

「…虎、ごめんね、わたしじゃもの足りないよね…。」
「!?ち、ちが、これは…!!!」
わざと悲しそうに言えば焦る虎。ちょっとからかいすぎたかななんて思っていれば、今度は聞きなれない雄叫びが聞こえた。

「ね、音駒にマネージャーいたのか!?しししししかもお美しい!!!」

なんだか虎2号がいるみたいだ。その人の後ろにいる綺麗なお姉様が哀れみを含んだ表情で見下ろしている。

きっと虎と同じ扱いでいいんだな、と理解し、クロの方に向かう。

「あの、案内かわります。先に中入ってアップしてて下さい。」

「ありがとう。じゃあお願いしようかな。」

なにも言わないクロのかわりに海さんが反応してくれる。周りにも気を遣わせて申し訳ないと思いつつ、わたしは烏野高校のみなさんの方へ視線を向ける。

「音駒高校マネージャーのみょうじです。わたしが案内するのでついてきてください。」

校内に入り、烏野高校用に借りた教室まで案内する。

「ここを使ってください。マネージャーさんは、他校のマネージャーさんと一緒に使っているので、そちらに案内しますね。では、その間に準備しててください。」

ありがとうございます、と声をかけられぺこりとお辞儀をする。

「ここがマネージャーのお部屋です。適当に荷物置いてください。」
「ありがとう。」
「あ、ありがとうございますっ!」

虎が項垂れるのもわかる。
同性からみても綺麗な方だなと思うし、もう一人の子もおどおどしてるがとても可愛い。

「わたし清水潔子。3年です、よろしくね。」
「わ、わたしは谷地仁花であります!1年です!」
「みょうじなまえです。潔子さんに、仁花ちゃんですね!わたしは2年です。よろしくお願いします。」

簡単な自己紹介を終え、3人でまた男子部屋の方へと向かい、体育館まで案内する。

「烏野高校さん来ましたー!」
「お願いしあス!」「シあーす!」


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