部活中心だった夏休みも終わりをつげ、文化祭がすぐそこまで迫って来ていた。

「衣装どーなってるー?」
「誰かペンキ借りてきて!」
「あ、それこっち!持ってきて!」

文化祭に向け、準備に追われる。わたしはクラスでピアノを弾くことになっているので、他の楽器の子達と音合わせ中だ。

音合わせもしばらく経った頃、ミスコンの衣装できたよ!と衣装係の子がにこにこしながらこっちにきた。

じゃあちょうどいいし、休憩にしよっかと一旦おひらきになった。



わたしははやく着てみて!と衣装係に急かされ渡された衣装を眺める。

こんな素敵なものをわたしが着るのかと少しの不安とワクワクがつのる。

音駒のミスコンは毎年衣装テーマが決められていて、今年はウェディングドレスだ。

ウェディングドレスといってもマーメイド型など様々な形があるが、わたしのは王道のふわっとしたドレスとなっていた。

よし、と意気込んでドレスを纏う。


「わあ、なまえちゃんすっごく似合ってる!」


衣装係の子の前に立つと、その子は目をキラキラさせてわたしをみた。
照れ臭くて、苦笑いになってしまったが、素敵な衣装にドキドキする。

彼女はわたしの見立てに間違いはなかった!とご満悦だ。

当日のメイクやヘアセットなどもその場で決められ、こんなにわたしのことを応援してくれる人がいるのだと感動する。

「ありがとう。わたしがんばるから!」

絶対グランプリとって、全校生徒の前でクラスメイトに感謝を伝えようと決意した。



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