文化祭2日目
午前中校内を歩き回っていると、なまえちゃーん!と声をかけられる。
「雪絵さん、かおりさん!来てくれたんですね!」
合宿の時にミスコンの話はしたが、ほんとうにきてくれるなんて嬉しい。
「みにきたよ〜」
「何時からやるの??」
「13時から体育館です!」
「まだちょっと時間あるね、雪絵なんか食べる?」
「食べる〜!」
「あ、ならわたしのクラスカフェやってるんでよかったら来てください!」
2階の真ん中らへんの教室です、とチラシをわたすついでに、一応ミスコンのチラシと投票権も渡す。
「すみません、せっかく来てくれたのに、わたし今ミスコンの活動中で……。」
「全然!体育館みにいくね!」
「がんばってね〜」
「ありがとうございます!」
ふたりに勇気をもらいにこにこしながらアピール活動を続ける。
「あーっ!音駒のマネージャーだ!」
今度は賑やかな集団に声をかけられる。
「梟谷のみなさん、こんにちは!さっきかおりさんと雪絵さんに会いましたよ。一緒じゃないんですか?」
「いんや!あとでごーりゅーする!」
マネちゃん、黒尾の幼馴染なんだって!?そーいやミスコン?でるってきいた!あれ、あかーし!ミスコンってなんだっけ!?と弾丸で進められていく会話にタジタジになる。
「こら、木兎。うちの大事なマネージャー困らせんなよ。」
困った顔で苦笑いしていると、そんな騒ぎに気が付いたのかクロが現れる。
ありがと、と小声で伝えると頭をポンポンされる。
「黒尾!きたぞー!」
「そんだけ騒いでればわかる。」
クロの登場に木兎さんの興味はわたしからクロにうつったようでホッとする。
「なまえがミスコンでるから、よかったら投票してやってよ。」
「おう!投票ってどーやるんだ?」
「これにわたしの名前書いてもらえれば!よろしくお願いします。」
そういって木兎さんたちにも投票権を渡す。
「あと、お腹空いてたら2年3組にも行ってみてください!研磨もいるので!」
チラシを渡すと、お前ぬかりないな、とクロに苦笑いされる。
木兎さんはミュージックカフェ!面白そう!とありがたいことにその大声で周りの人たちにも無意識に宣伝してくれている。
「黒尾案内して!ミュージックカフェ連れてって!」
「おう、行こーぜ。」
そう言って行ってしまいそうなクロに慌てて声をかける。
「あ、クロ13時に来れる?」
「体育館だろ。モチロン。」
なまえの晴れ舞台だからな、と親戚のおじさんみたいなこと言うクロに笑ってしまう。
なまえ頑張れよ、またあとでな、と去って行くクロにうん、と返し木兎さんたちにぺこりとお辞儀をする。
いよいよ、ミスコンアピール最大のウエイトを占める自由披露だ。
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