合同練習2日目。

もうあからさまに不機嫌オーラ丸出しの絶不調な主将がそこにはいて。

昼休憩に入る前最後の試合を終え、ついにわたしは痺れを切らした。

「クロさん、体調悪いんですか?なんかあるなら言ってください。」
「…なんもねーよ。」
「なんもなくないじゃないですか。オーラがドス黒いんですよ、みんな気遣ってるのわかんないんですか?」
「お、おい、言い方ってもんがあるだろ!」

珍しくクロに突っかかるわたしに他の部員は驚き固まる。虎は先輩に対してそういう態度をとったわたしを叱るが、こっちだって譲る気はない。

「だって不機嫌丸出しじゃん!せっかく烏野だって遠くから来てくれてるのに、なんなんですか?体調悪いなら休んだ方が良いと思いますし。」



「…お前には関係ねぇだろ。」



そんな言葉にわたしは思わず固まる。関係ない、なんてクロに言われてショックを受けないはずがないのだから。

「ちょっと、クロ、」
「…関係ないってなによ。」

ボソッと呟くように吐かれたそれに、研磨がおどおどしてるのがよくわかる。クロにも聞こえたのだろう、しまったという顔をしている。

「わたしは、一緒にコートに立てないから関係ない?ただ外で雑用やってればいいってこと?」

キッとクロを睨む。
研磨以外はわたしとクロが幼馴染なんて知らない。研磨はクロに対して小さい頃からかわらない態度で接するが、わたしは普段敬語で話すし、誰もわたしたちが幼馴染だなんて気付くこともないだろう。だからこの状況が理解できず、誰も口を挟んでこない。

「そこまでは言ってないだろ、」
「じゃあなんでそんなこと言うの!」
「なまえが!!」

クロが怒鳴る。シン、とする体育館。

「あーもうくそっ。ちょっと来い!」



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