呆れるほど鮮やかに、


 

「クロエ」

「父さん…」

「アメジストの、研究をしろ」

「できない。ボクはもうアルジャーノンのような人間を作りたくないんだ!!」

『ワタシも、苦しむポケモン達は見たくないわ』

「クロエ、お前は私の命令に逆らうというのか?」

「ジストはボクの友達だ」


クロエは赤い瞳を父親に向けて、そう言う。
初めての犯行だった。


「クロエ…」

「アルジャーノンはベスパ団が使っていた薬剤やポケモンの技を受けてあんな風になって…エルシア団長の愛娘だったはずのアルジャーノンがあんな風になったのはボクのせいだ」


クロエはもう誰の研究もしない。
そう決めていたのだ。
アルジャーノンに残された後遺症を知ったときから。





「クロエ…」

「マシロとアルジャーノンはボクが守る…ジストも」


父親に殴られた後、かつてのアルジャーノンのように檻に入れられたクロエはアメジストの前に置かれていた。


「ありがとう、クロエ」


そう言って、アメジストは鮮やかに笑って見せたのだ。


 

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