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やっぱりそうゆう反応よね。という感じでため息をついた。宮本のCTっを見ても何も見当たらない。うーんと考えた後みょうじは立ち上がった。

「レントゲン届けてくれるの?」
「はい、医者でない私たちが考えても結果は出ないので」
「そりゃそうだわ。いってらっしゃい」

望月に見送られ黒田達のいる部屋へ向かう途中白石を見つけた。白石にレントゲンを渡すのでもいいかな、と思い声をかけた。

「白石先生お疲れ様」
「あっ、みょうじさん。お疲れ様、それ宮本さんの?」
「うん、と言っても何も見つからなかったんだけどね」
「そうなんだ…吐血も痙攣も見間違いだったのかなって思っちゃうよ。私の目の前で起こったのに…」
「そのことなんだけどさ、どの症状も白石先生のいるときに起こってるよね」
「そうかも…何かあった?」
「いや、なーんか病気になった、見てくれってアピ―ルしてる感じがあって…症状もちぐはぐだし…」

そこまで言ってはっと我に返った。医者でもない私が出しゃばりすぎたかもと思いレントゲンを渡してCT室へ帰ることにした。

―――
――


仕事も大方片付き、残業がなさそうで一安心していると、うなだれた様子の藤川の母親が座っていた。
何かあったのかと思い、駆け寄って声をかけた。

「こんにちは、どうかされました?」
「あ、こんにちは。ちょっといろいろありまして…」

そう言って口ごもる。隣の席に座り話しだすのを待っていると隣に藍沢が座った。母親は藤川についてぽつりぽつりと話し始めた。一通り話終わると、自分たちの両親について聞かれた。そこで藍沢の両親が既に他界していることが分かった。

「あなたのご両親は?」
「私の両親は…とても私を大切に育ててくれました。やりたいことは何でもさせてくれて応援もしてもらいました。」
「あら、そうなの。愛をいっぱい受けて育ったのね、今も会ってるの?」
「月1回くらいですが、会いに行ってます」

親孝行してるのね、とフフッと笑った。藤川に藍沢、2人より贅沢な環境にいることに気付きもっと頑張らなくちゃと思った。
藤川の母親は藤川に会いに行くのか病棟へ向かっていった。

「藍沢先生は、おばあちゃんに会いに行ってる?」
「何年もあってない」
「そうなんだ…」
「ほかに何か聞きたいことはあるか」
「え…じゃあ…ベッド空きそう?」
「全部埋まった、今は患者を受け入れられない」
「埋まっちゃったんだ」
「他に」
「えーっと…彼女は?」
「はぁ……いない。あんたは」
「え?彼氏?いないよ。考えたことなかった…藍沢先生は好きな人いるの?」
「興味ないな」

藍沢は質問は終わりというように立ち上がり病棟へ向かった。きっとベッドを空けに行ったのだろう。

「藍沢先生って、彼女いないんだ…あんなにモテるのに」

ぽつりと呟いた言葉は誰にも聞かれずに消えていった。