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ここからが長かった気がする。今まで撮った人たちの書類整理や溜まっていた物など片づけをいていると当宿直の犬山が眠気に負けたのかうたたねをしていた。疲れたから仕方ないよね、と思い書類の整理をしているとがっしゃーんと静かな休憩室に騒音が鳴り響いた。どうやら犬山が後ろにもたれかかりすぎて倒れたらしい…。

「あの、大丈夫ですか?」

恐る恐る声をかけるとなんの返事も返ってこない。念のため呼吸と心音を確認するがどう見ても睡眠をとっている呼吸音だったので仮眠用の毛布を掛け仕事へ戻った。そこへコンコンと控えめに扉がノックされた。もしかしてさっきの音で誰か起こしちゃったのかと思い急いで扉を開けた。そこには白石が立っていた。

「あ、さっきすごい音がして。確認しに来たんだけど。」
「あ、犬山さんがさっき椅子から落ちちゃって…やっぱり響いた?」
「私たちのとこまで聞こえたけど、患者さんからは何も来てないから大丈夫だと思う。それより今日宿直?」
「そうなの、まだ仕事も片付いてないからいろいろたいへん」

苦笑いを浮かべると、白石はそうだと思いついたように一緒に仕事しょうと提案してきた。

「一人だと眠くなっちゃうしさ、眠気覚ましとか気分転換においでよ。」
「あ…じゃあそうさせてもらおうかな。犬山さん寝ちゃったし。」

ちょっと待っててと言い。必要なファイルと筆記用具、そして犬山宛に置手紙を置いていった。技師の休憩室とコールセンターは近いのですぐに到着した。

「あれ、フェローの皆が宿直なの?」
「いや、ほんとは私と藤川さんだけなんだけどね。皆担当してる患者さんが心配みたいで残ってるんだって。」
「そうだったんだ。」
「あ!みょうじちゃん!君も宿直?」
「うん、そうだよ。犬山さんも一緒なんだけど疲れたみたいで寝ちゃってて…」

雑談をしながら書類を進めていると緊急搬送用の電話が鳴り響いた。