Trap it by a present.
「べーる、べるべる!」
楽しそうな声にオレは視線を下に向ける。艶やかな黒い髪と人を引き込む穢れないオレンジの瞳。まだ4歳にも満たない少女はその目を輝かせ、俺を見た。
×××
俺達と因縁深いボンゴレ十代目の娘、沢田名前。こいつとオレ達ヴァリアーが初めてあったのは、こいつの1歳の誕生日だった。
本部で催された誕生日会。主役が消えたとの連絡が入ったのは始まって30分後の話。
捜索要請がヴァリアーにも入ったが、オレ達があの沢田綱吉の娘なんかを探すわけもなく。
「死体で見つかるに5億ユーロねオレ」
「そんなことに使うお金はないよ」
「それじゃあ私は五体満足に5億ユーロかしらね」
「お前ら仕事しろぉ!」
カス鮫の一言に萎え、ナイフを一投。その瞬間開く扉。ボス以外の幹部はムッツリ君以外が揃っていたし、ムッツリ君も任務で外。帰ってくるのは10日は後。オレが入ってきた部下を殺した後から、幹部談話室であるその場所に入ってくるバカはいないはずなのに開く扉。ピリピリとした殺気が室内を見たし始める。ギィ、と開く扉。オレはナイフを投げた。
結論から言えば投げたナイフは当たらなかった。
何故なら、あるべき位置に的がなかったからだ。要するに、目標が小さすぎた。
黒く長い髪をサラサラと揺らしながら、ボンゴレ本部を混乱の渦に落とした張本人がニコニコとした笑顔で、そこに立っていた。
「う゛ぁーりあっ!」
さぞ楽しそうにそう笑う少女をオレ達が知らないわけがなく。
「なんでこいつがここにいんの?」
「俺が知るかぁ」
呆然とするオレ達にそいつは歩いてよってくる。
「う゛ぁーりあっ!」
嬉しそうにまたそういうこいつにはあ、と溜息をつく。
「本部に電話してくるぜぇ」
「私はお菓子でももってこようかしらね」
「ボクは仕事に戻るよ」
「は!?」
あいつらはそう言って我先にとその場から逃げて行った。残されたのは俺と名前。
「う゛ぁーりあ!」
そういってオレを指差すそいつに、溜息しかでない。
おカマのお菓子が好みだったせいでもあるのか、名前はそれからよくヴァリアーに来るようになった。お陰で十代目のファミリーはオレ達を尚更敵視している。まあ、ヴァリアーに懐いてるしな、こいつ。
そして今日もまたこいつはここにいる。
「べーる!」
「はいはいプリンセス」
そういって傅けば、こいつは嬉しそうに抱きつく。王子が傅くとか超レアじゃね、ありえねー。
「べるべるべる」
「うしし、どーした?」
よしよし、と頭をなでてやれば名前はにっこりと笑い、俺と目を合わす。
「べーる」
ちゅ
…は?
唇の柔らかい感覚に唖然とした。目の前には小さい少女がてへへ、と照れたように笑っている。
「べる、はっぴーばーすでい!」
「え?」
「ままがね、だいすきなひとのばーすでいにはちゅーしてあげてって!」
「…」
「ぱぱがね、くちびるへのきすはおうじさまへしかしちゃだめだよって!」
「…」
「べるはね、おうじさまなの!いっつもやさしくてね、だいすきなの!だからねおめでとーって!」
えへへ、と笑う少女に俺もうしし、と笑う。
「じゃあ王子の隣にいるのはお姫様じゃねーとな」
「…名前おひめさまじゃないもん。べる、名前のこときらい…?」
唇を噛み締めて、そういうそいつに頬が緩む。
「王子と結婚すればいいでしよ」
「けっこん?」
「そ。結婚したら、王子のお姫様だろ」
「!そしたらべるのよこにいていいの?」
「うしし♪もちろん」
「じゃあ名前、べると結婚する!」
嬉しそうに俺に抱きつくこいつにそっとオレのティアラを乗せる。
「?べる?」
「王子のだって印。お風呂はいる時もとるなよ?」
「べるありがとー!だいすき!」
「オレも好きだぜ」
楽しそうに笑う名前を抱きしめ返す。こいつへの16歳の誕生日プレゼントはウエディングドレス。
ロリコン?そんなことしらねーよ。
だってオレ王子だもん♪
Trap it by a present.
ぱぱーままー!名前ねー!べるとけっこんすることになったのー!おひめさまになるのー!
まあ、すてき!ティアラももらったの?
ちょえ?どういうこと?ベルフェゴール?え、ちょっと、え、なにそれ!パパと結婚するとかも一回も聞いたことないのに!
だってべるおうじさまでやさしいもん!名前ねー!こんやくとどけになまえかいてきたのー!
素敵!式はいつかしら…
京子!?
名前がねー16さいになったらなのー
どうしようリボーン!!
…あいつロリコンだったのか…?
設定
沢田綱吉と笹川京子の娘。
黒髪とオレンジの瞳。
美少女→美人→美女って感じで成長する。
ベルフェゴールとは20歳差。
ちゃんと16歳で結婚する。ベルは36歳。前髪流していい感じのおっさん。がちないけめん。
ボンゴレ継ぐのは名前の弟。
ヴァリアーのお姫様てきな存在になる。ザンザスのことパパって呼ぶようになればいい。実際顔つき、綱吉(お父さん呼び)とも京子(お母さん呼び)とも似てないといい。
久々過ぎて口調不明。
ということで、ベルフェゴール、ハッピーバースデイ!