スリーピングビューティ
悪い魔女に眠らされた美女の元に、一人の王子が到着しました。
「ふふふ、俺が王子なのは適役だなあ!」
寝言は寝てから言えよ。「なにっ?!」げふんげふん。カチューシャで髪を上げたデコ王子は「貴様っ」だまれ。えーカチューシャでデコを見せた王子は馬ではなく、ロードバイクに乗って山を登り、その森までやってきました。
「任せておけ、任せておけ」
三人の優しい魔女にそう言うと、えらそうな王子は姫に近づきました。
「…それにしても、何故スリーピングビューティが俺ではないのだ」
おい。
「まず、おかしいだろう。俺の異名だぞ?」
おい。おい。
「王子が俺なのは納得だが…」
おい。おい。おい。
「なぜ、スリーピングビューティが俺では」
「じゃあ変わるか」
むくり、とベッドに横たわっていた姫が起き上がる。
「あたし、姫なんていう柄じゃねーし」
そう言うと姫は王子の首根っこを掴み、後ろへ消えて行った。

悪い魔女に眠らされた美女の元に、一人の王子が到着しました。白馬に乗り、長い金色の髪を後ろで一つに縛った麗しい王子は姫に近づきました。
「ああ、なんて美しい」
そう呟くと王子はその姫の真っ白な顔に…
「東堂、顔真っ赤だけど」
「お前は…どうしてそう簡単にっ」
ちゅ
「だって東堂好きだし」
katharsis