02

勇利がスケートをするのを禁止にしたヴィクトル。まあ、あの腹じゃわからんでもない。

勇利くんの練習を見ながら。

「ヒキョーちゃん」
「なによ」
「あのときのは謝るよあのあとヒキョーちゃん大会で結果残したし」
「………ング」
「なあに?」
「ドーピングしてなぃ」
「わかってるよそんなの」
「じゃあなんで」
「まだわかかったし噂になってたからごめん」
「あのあと私がどんな思いしたか知らないでしょ」
「…」
「あなたもメダルとったけどメディアはあなたばかり注目して」
「…ただ、君が羨ましかった」
「女子と男子とじゃ違うのに?」
「ごめんって、」
フィギュア界、神童ともてあまされた二人。オリンピックで優勝したあと二人は違う道を歩んだ。いくつかの大会でメダルをとり結果をだしたが私はスケート界から足をあらった。
今はスケートにかかわることをしているが滑ることはしていない。
「ヒキョーちゃんはどうしてここにきたの?」
「あの動画」
「やっぱり?あれみたの!」
「見たわよ。あの動画を広めたのは私なのよ」
「っはぁぁぁぁぁ???」
「そしたら瞬く間に広まっちゃって…私のSNS垢ほら有名な業界人やら記者らがフォローしてるじゃない?」
「あの動画見つけたの君なの?」
「うん」
明らかにぽかんとしているヴィクトル

「はぁはぁはぁ、た、タイムはっ?!」
神社の階段を登りおりしていた勇利くんは立ち止まり息を吐く。ヴィクトルの愛犬、マッカチンがお座りして尻尾を振っている。ああん!かわいーっ

マッカチンをぎゅ〜と抱き締める。

「あ、忘れてた☆」
「はぁぁぁぁぁ??!」
「ほら、もっかい〜」
「うわあああ!」

勇利くんが走るとマッカチンも走り出す。

ヴィクトルはなにか考える仕草をしていて。
「あれ見てどう思った?」
「ヴィクトル、あなたしってる?」
「なにを」
「勝生勇利。日本強化選手。みんなから期待され過ぎて自分らしさが出せずに敗退、落ちこぼれ。もう引退を決意するまで噂が流れている」
「そうか」
「それなりの実力はあるけど実力発揮できずにいる。まだ、やめたくない、まだ滑っていたいあの動画をみてあの頃の私見たいに思えたの」
「あなたはあの子を救えるの?」
「………。」
皆言っている。勝生勇利を自分のオモチャに利用しようとしているだけだと。
踏み台にするだけだと。ヴィクトルの幼い頃を知る関係者が口を揃えていっている。
「あの子を殺すも生かすもあなた次第ってこと現役のあなたが失敗すれば私見たいに一生卑怯呼ばわりみたいなこと言われるわよ」
「………」

「ヴィクトル!!…タイムッ!」
「あ、ごめん忘れた…」
「もー!!帰るっ!」
「ユ、ユウリぃぃぃ!」



まえつぎ
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