Oh, sleepy. I want to see a good dream.


 ガラス玉の中は適度に暖かいし、防音性にも優れているらしかった。外部の音はほとんど聞こえない。
 静かで暖かく、そして柔らかなクッションが身を包んでいた。自然とうとうとし始めると、寝ることを許さないというように時折ガラス玉が解放される鎖の音と機械音がかすかに聞こえる。みんな少しずつ解放されていっているようだ。
 会場にいたお洒落な人々がこんな訳のわからないゲームに参加しているんだと思うと不思議な感じがした。パーティー会場にいた男性のほとんどがスマートな大人といった様相だったのに、パートナー探しとかいうくだらないゲームにきちんと付き合うなんてハタ坊のなせる技なのか。もしくは男性たちの心がある意味大人なのか。それとも、意外といくつになってもゲームみたいなものには心くすぐられるのかもしれない。
 私としてはいくつになってもゲームを楽しめるような、子供心を忘れてはいない男性がいいと思う。大人の女性なのだからこうして当たり前だというような概念のない男性が素敵だと思えた。
 ふと脳裏に浮かんだ六つ子たちを思って、ぎゅっと唇を噛んだ。
(いやないから。素敵ではない。子供心忘れてないけど。むしろありあまってるけども)
 クッションに頬をくっつけながら頭の中で六つ子の顔にばつ印をつける。
(それだけしかないってのも困りものだ)
 ふあ、と欠伸をしかけた時だった。
 がくんとガラス玉が揺れる。鎖がじゃらじゃらとのばされ、下に降りていく感覚がした。
 慌てて飛び起きるものの、ほんの少しぐらつくガラス玉の中では立ち上がることは難しそうだった。
 ゆっくりとガラス玉が地面に着くと、鎖の音も止んだ。代わりに表面に切れ目が入り、そうっと開いた。
 恐る恐る立ち上がって久方振りの地面に足をつけると、慣れないヒールもあいまって少しだけふらついた。それをさっと支えてくれたのは先ほどホール中のマダムの視線を虜にしていた北欧系のボーイだった。
 この人が助けてくれたというのだろうか。そんな少女漫画のようにおいしい話があるのだろうか。思わずうっとりとそのボーイを見つめてしまう。
 けれど、そんな私に反してボーイはすっと身体を離した。きょとんと目を丸くする私に目も合わせない。
「Mr.フラッグ。ガラスの中身はななし様でした」
「やったじょー!ななしちゃんだじょー!嬉しいんだじょー!」
「え?ハタ坊?」
 言われて気付く。視線を下に向けるとボーイの足元でわーいわーいと手足をばたばたとさせながら喜んでいるハタ坊がいた。
「え、ええ?どういうことなの?なんで主催者がゲームに参加してんの?おかしくない?」
「いいえ、ちっともおかしくはございません。今回はMr.フラッグのお相手を探す目的も含んでおりましたので、勿論参加しておりました。ただMr.フラッグには番号札がなく、最後に残ったガラス玉の女性がパートナーになるということにしていたのです」
 あるかなしかの微かな笑みを口元にたたえたボーイの声は涼やかでいつまでも聞いていたいくらいだ。
 しかし今はそんなことよりも大きな問題が発生した。てっきり六つ子に助けられて厄介なことになるとばかり思っていたが、どうやらそれは回避できたらしい。
 その代わりに、ハタ坊が私のパートナー相手として名乗り出ているということだった。
 ハタ坊は本当に嬉しそうにはしゃいでいる。
「ななしちゃんで本当によかったんだじょー!」
「よ、喜んでるところ申し訳ないんだけど、さ……私、ハタ坊のパートナーになれる器じゃないと思うんだけど」
 言いづらそうにそう言うと、ハタ坊がぴたりと動きをとめた。その様子にさらに居心地が悪くなる。
 昔こそ何も考えていないようで本当に何も考えていないハタ坊だったが、今やこんなにも大きな会社で沢山の社員を持つ立派な社長なのだ。大きな懐のある女性でないと社長夫人なんて大役は務まらない。
 私には難しいように思う。その大役に押し潰されるタイプだ。
「ハタ坊は立派だから、きっと他に良い女の人がいると思うし、こんな風に選ぶんじゃなくてもっとちゃんと選んだほうが良いよ」
「ななしちゃんがいいんだじょ!いくらあげたら奥さんになってくれるんだじょ?お金ならいくらでもあげるじょ」
「お金!?何言って──」
「好きなだけもらってほしいじょ!」
 美青年のボーイが指を鳴らすと、ずらりと十人ほどのボーイがアタッシュケースを持って並ぶ。それを開くと中にはぎっしりとお札が詰まっていた。
 ぶわっと冷や汗が出る。見たことのない額に鳥肌が立った。視線がお札から離せない。このままでは目ん玉が飛び出るか、押さえつけている手がお札を握りしめてしまいそうだ。
 ハタ坊が小首を傾げた。可愛らしく、純粋な目が私を見つめる。
「ななしちゃん、どうしたじょ?」
「や、私、お金いらない、から……!しまって!」
 アタッシュケースが閉じてようやく目をそらすことができた。息が荒くなる。恐ろしいお金の力を目の当たりにした。
 あの額があれば一生働かずに暮らせると心揺らいだ自分がとても憎い。
 さきほどの痴態をごまかすように咳をしてから、諭すように人差し指を立てた。
「ハタ坊、お金で奥さんを手に入れたら駄目。そんなの本当のパートナーじゃないから。ちゃんと好きになった人をパートナーにしないと」
「ななしちゃんのことすっごく好きだじょー。昔から優しくて好きだったじょ!」
「へ、あ、え?へ?そ、そうなの?ええと、それはありがとう……ございます?」
 語尾が上ずる。予想外の答えに心がそわそわとしてしまっていた。こんなに真正面から好きだと言われたのは六つ子以外で初めてのことで、相手はハタ坊だというのにほんのり頬が熱を持つ。
「じゃあ問題ない、のか?ううん、いやでもハタ坊のことをそんな風に見れないというか……でも好きでいてくれるならいいのかな。いやでも……あああああ、わからん!」
 頭が混乱していてうまく答えが出ない。思わず唸りながら頭を抱えた。
 ただ一つ思うことは、私もそろそろ結婚などのワードに敏感にならなければならない年頃だということだ。
 大企業の社長で、無邪気で、大人だけど子供心を忘れていない、ありのままのその人を愛してくれそうな人。
 その理想のほとんどがつめこまれたのが今目の前にいるハタ坊なのではないのか。
 キスやその先のことは今はできないと思うが、ゆくゆくはできるようになると思えるかもしれない。
 そうだ。腹をくくろう。
 ハタ坊からすっと小さな手を差し出された。
「ななしちゃんのこと、幸せにするって約束するじょー!」
「ハタ坊……」
 少しだけきゅんとする。きっとこの可愛い男の子みたいな彼を愛せる日が来るだろうし、それはそう遠くない話のように思えた。
 ハタ坊から伸ばされた小さな手をとろうと、おずおずと手を伸ばした時だった。
「ちょーっと待ったー!!」
 大きな音を立てて扉が開いた。
 目をぱちくりとさせながら見てみると、同じ顔が五つあり、皆それぞれ肩で息をしていた。
「ちょ、ハタ坊!?いつからそんなことできるようになった!?意外なところに伏兵がいて心臓潰れるかと思ったわ!」
 チョロ松が顎の汗を手の甲で拭いながら言う。その隣のカラ松が立てた人差し指を左右に振った。
「ノンノン、ハタ坊。抜け駆けは許されないぜ?俺たちだって昔からななしちゃんに惚れているんだからな」
「……別に、俺はどうでもいいけど」
「一松兄さんも素直じゃないよね〜。どうでもよかったらここまで来るわけないじゃん。でも僕もななしちゃんがハタ坊のお嫁さんになるのは反対かな。だって頭に旗が刺さったななしちゃんとか痛々しくて見てられないよ」
「ケツにどぅーんって刺さったとき、めちゃめちゃ痛かったもんねー!」
 あははと笑う十四松の言葉がやけに耳に残った。ゆるりと小首を傾げる。
 ──ん?ケツに刺さる?何が?
 冷や汗が頬を伝う。何が、と問わなくてももう答えは出ていた。ゆっくりと視線を動かしていくと、ハタ坊の頭に刺さった国旗にとまる。
 震える手でそれを指さした。
「ハ、ハタ坊?もしかして、旗って刺さなくちゃいけないの?」
「もちろんだじょー!頭に刺すのがむりなら、お尻でもいいじょ」
 ボーイがさっと用意した頭に刺す用の小型の旗を手にしたハタ坊に対してもはやときめきも何もない。旗を無邪気に振り回す姿に、あるのはただただ恐怖だけだった。
 もう一人のボーイが念のためなのか、台車でお尻用の太くて大きい旗を持ってきた。きらりと鈍く光る先端を見るだけで身体が震える。
 男のいちもつさえ受け入れたことのない私が、ましてやお尻にあんなものを受け入れらるはずがない。
 さあっと血の気が引くのがよくわかった。
「いや無理!お尻とか無理!痛いよ絶対!なんでそんなへらへらしてられるのハタ坊!?」
「あはは、チョロ松兄さんと同じこと言ってるー!お尻めちゃめちゃ痛くなるからやめておいた方がいいかもね!」
「でも刺さないと奥さんになれないんだじょ。だから刺すんだじょ!」
「じゃあやめる!もうハタ坊の奥さんになるのはやめる!」
 間髪入れずにそう答える。
 みるみるうちにハタ坊がしょんぼりとしていくから、私としても心が痛んだがそれよりも己の貞操である。
「ごめんね、ハタ坊。でも私──」
「でもななしちゃんと結婚したいんだじょー!うえええええええっ!」
 ぼたぼたと涙を流すハタ坊にぎょっとする。普段からぼーっとしている顔か、へらへらと笑っているところしか見てこなかった。わんわんと声をあげて泣くハタ坊の目からは大粒の涙がぼたりぼたりと落ちていく。
 おろおろと手を彷徨わせる私の隣で、「Mr.フラッグ!泣かないでください!」とボーイが跪いて白いハンカチで涙を拭った。
 ボーイの目に、何かを決意したような光が宿るのを見て、とても嫌な予感がした。
「こうなれば仕方がありません。Mr.フラッグのため、あなたには何がなんでも旗を刺して頂きましょう」
 すっくと立ち上がるボーイが台車に乗せられたお尻用の旗を手にとると、私に向かって構えた。その顔は真剣そのものだった。
 じりじりと後退する私を追いかけるように、ボーイもじりじりと前進してくる。
「いやいやいや!え、ちょ、なんでよりによってケツ用なの?せめて頭にしてよ!」
「問答無用!」
「いやあああああああ!無理だからあああああああ!」
 身をひるがえすと、全力で駆け出す。ヒールだから走りづらいことこの上ないが、走らなければやられてしまう。私が走れば当然ボーイも走り出した。
 しかし、私とボーイでは足のリーチが違うし、何よりこっちはヒールなのだから分が悪すぎる。あっという間に距離が詰まってきた。
 だが、私とボーイの間に救世主、カラ松が躍り出る。
「フッ……。嫌がるレディに無理強いするなんてスマートじゃアッー!!!」
 カラ松はぶすりと尻を刺されて倒れ込んだ。私を追いかけてくるボーイとは別に、もう一人、ボーイはいたのだ。そういえば尻用の旗を持ってくるために台車を引いてきたボーイがいた。
 私を追いかけてくる北欧系のボーイはカラ松の屍を容赦なく踏んだ。尻に刺さった旗が無残にはためく。
 こうなったら他の六つ子に助けを求めるしかない。
「チョロ松、助けて……!」
「ななしちゃんが僕に助けを求めてる……!?分かった、僕に任せておいて!」
 こんな緊急時だというのに嬉しそうに目を輝かせるチョロ松だが、多分それなりに何かしてくれるに違いない。
「十四松、まずはカラ松を刺した奴をやるんだ!」
「わかりましターッチアウトー!どぅーんっ!」
 ぎゃっという声があがる。十四松がカラ松を刺したボーイの顔面に飛び蹴りをしたらしい。身体能力の高さは六つ子一だ。
 ──ああ、ようやく希望が見えてきた。
「よし!次はななしちゃんを追いかけてる奴をアアッー!!」
「チョロ松兄さーん!ボウエッ!!」
 ぶすっぶすっ。
 チョロ松と十四松も尻を旗に刺された。ぴくぴくと痙攣しながら床に倒れこむ。二人とも白目を向いていたから、気を失ってしまったようだ。
 芽吹いた希望がすぐにつまれてしまったことよりも、二人の尻から血が出ていることが私をぞっとさせる。そんな痛みに耐えることなんて、私にはできそうにない。
 脱出先を探すため、扉を見てぎょっとする。黒服のボーイ達が扉からわらわらと入ってくるではないか。絶体絶命を迎えた私に、残りはトド松と一松しかいなかった。
 縋るようにトド松たちを見ると、真顔かつ素早い動作ですすすっと部屋の隅にいき、ちょこんと座り出した。
「はああ!?ちょ、あんたら馬鹿なの!?助けろよ!」
「ななしちゃん頑張ってー!僕、応援してるから!」
 トド松の声が遠い。腹が立ちすぎて顔が真っ赤になった。
「くそぼけトド松!てめーは絶対あとで殺す!──あっ!」
 とうとう足を挫いた。ヒールだからいつか挫くとは思っていたが、本当に挫いてしまうなんてついていない。
 倒れ込むまではひどくゆっくりに感じられた時間だったが、いざ身体ごと床に叩きつけられるとすぐに時間が追ってきた。ボーイの足音が近くなる。走ろうとするが、ひどい挫き方をしてしまったらしく、じんじんと痛んで立ち上がるのが精一杯だった。
 ここから走るなんて到底無理だ。すぐに膝をついて、手を床についた。少しでも前に進もうと這いつくばるが、それはただただ虚しい抵抗だった。
 ボーイの足音がとまる。すぐ後ろに気配を感じた。
「お尻、頂戴いたします」
 至極真面目に伝えられた言葉だったが、正直意味がわからない。
 すっと棒を構える気配がして、目をつむった。
 ──ああ、私、ここで尻の処女散らすんだ。
 それがすごく嫌で、ぎゅっと閉じた目に涙が滲んだ。
「ななしちゃんのケツは俺のもんだー!!」
「くっ、う!?私のお尻に、旗……ですって!?」
 その言葉を最後に、どさりと前に倒れこんだボーイの突き上げられた尻には太い旗が刺されていた。
 振り返ると、男はボーイの尻を蹴りながら、「ったく、何勝手にななしちゃんのケツに刺そうとしてんの?んなのお前には十年早い。いや、一億光年早い」と小学生が言うような台詞を吐いていた。
 男は私に気付くと、鼻の下をこすりながら笑った。
「お、そまつ……?」
「おそ松だよーん。ななしちゃん、大丈夫?」
 手をひかれるが、へたりこんでしまった私の腰と挫いた足では立ち上がることは叶いそうになかった。まだ呆然としている私の隣に、おそ松は座る。
「きてみたらよくわかんないけどななしちゃんがケツ狙われててさ、びっくりした」
「まあ、色々あって」
「ななしちゃんのケツにぶっさすのは俺のものって決まってたから焦った!」
「ばああああっか!誰もお前にやるなんて言ってねーわぼけ!」
 思いっきり頭を殴りつける。「あっだー!」という声をあげてから、おそ松は不満そうに唇を尖らせた。
「それがケツの恩人に対してすること!?もっとこう、感謝してくれてもいいんじゃないの!?」
「お前は一言余計なの。なぜわからない。馬鹿なの?馬鹿なんだね。ああそうだった、馬鹿だった」
「自己完結禁止!俺と会話する意味なくなんじゃん!」
 ぶーぶー不満の声をあげるおそ松の声が聞こえないように手のひらで耳を塞いで、つーんとすました顔で顔をそらした。
「ちょ、ええ!?嘘でしょ!?俺恩人だよ?何回も言うけど恩人なんだよ?ちゅーとかあってもよくない?もしくはデートとかハグとかしてくれても──ちょ、お願いだから聞いて!!寂しさで死んじゃう!!」
 一向に聞く耳を持たない私にしびれをきらしたのか、耳を塞いでいた手をとられる。
 ぶすっとしたままの私は素直じゃない。本当はお礼を言わなければいけないとわかっている。でも、素直に言えるほど私の性格はまっすぐに伸びてはいないのだ。
 それでも礼を言わずにいられるほど根が腐っていない私は、むっと唇をへの字に結んだまま、もごもごと口を動かす。言葉が口の中でこもった。照れくさくて、目は見られない。
「……か」
「か?」
「か、感謝はしてる。ありがとう」
「……あ、うん。どういたしまして」
 さっきまで必死だったおそ松もきょとんと目を丸くして、大人しくなった。
 なんだか胸がむずがゆい沈黙に、歯茎がむずむずして奥歯を噛み締めた。そわそわとしているのはおそ松も同じようで、肩が少し揺れている。
 おそ松がちらりと私を見た。
「じゃあ、ちゅーしとく?」
「するわけないじゃん、馬鹿なの?馬鹿なんだね。ああ、そうだった。馬鹿だった」
「自己完結禁止だって言ったじゃん!恩人の言うことは絶対だって、道徳の授業で習わなかった!?」
「絶対なんていう風に習った覚えはないから!都合のいいように解釈すんなぼけ!」
 ぎゃーぎゃーとおそ松と騒いでいるうちにさっきのちょっとそわそわした沈黙だとか、尻に旗を刺されそうになった恐怖とか薄らいできて、なんだかおかしくなってきて腹の底から笑いがこみ上げてきたから昔みたいに大口をあけて笑った。
 きょとんと目を丸くしたおそ松もすぐに笑って鼻の下をこする。
「やっぱり笑った顔が一番!ほんっと可愛いんだもんなー、さすが俺たちの幼馴染!」
 化粧も涙と汗で崩れて、髪の毛だって穴に落とされたり走ったりでぐちゃぐちゃになっているのにそんなことがいえる目の前の男に、ほんの──そう、ほんの少しだけ胸の中に温かいものが芽生えたのだった。


 あのあと、泣きやんだハタ坊が尻を刺されたチョロ松と十四松とカラ松を見てまた泣き出して、「みんなを傷付けるつもりなんてなかったんだじょー!許してほしいんだじょー!」と言って有名な病院に搬送してくれたから、三人とも次の日にはぴんぴんしていた。
 トド松と一松には、トト子直伝のボディブローを三発ほどいれたから次の日は布団から出られなかったらしい。
 私はといえば、次の日からきちんと仕事に行っていた。
 ただ、次の休みにおそ松と遊びに行くという約束をしてしまったものだから少しだけ憂鬱だった。あのあとも恩人なのに何にもしてくれないとぶつくさ文句を言い続けるおそ松に折れて、仕方なく約束をしたのだ。
 まだまだ、慌ただしい生活は終わることがなさそうだと空を見上げて思うのだった。

...ハタ坊パーティー編 fin...

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