ご同伴願えますか?!
斉藤以外の三番隊の方々と初顔合わせ。
そういえば紹介してもらってなかったなァと思いつつ、大太刀を差し込み斉藤の部屋に行く。
噂によると前まではもう少しいたようだが、局中法度に触れただとか、攘夷志士と黒いつながりがあったとかで最近また粛清されたらしい。
さすが、内偵調査隊である。
疑わしきは自隊に引き入れ粛清するというのか。
その粛清された人の大多数が斉藤によって暴かれ、人知れず処断していたというので少し驚いた。
しかし、打ち合いの時のやる時はやるというという心意気と、斉藤の目を思い出せば納得がいった。
今のいるメンバーは、副官の遠藤伊蔵、森蔵之介、上田進太の三名だった。
何か、昔どこかでこの三人の顔を見た気がする。そう、あの戦いの時あたり。
うーんと、悩むがアイツの事を思い出し、そこから何も考えられなくても気のせいということにしておいた。
三番隊は人数の少なさから内偵の他に、他の隊と一緒に任務に出されたりする。
その他には当番の時に見廻りに行ったりする。
内偵とはいってもここに馴染まなければただ警戒されるし、自分での判断は難しく仕事にならないので、実質名字の仕事は見廻りや掃除くらいしか無かった。
自主的な見廻りは良しとされているし、少し外に出よう。
「隊長!見廻りに行って参ります!」
すると斉藤は立ち上がり二本の脇差を装備した。
どうやら一緒に来ていただけるらしい。
「ご同伴願えますか?!」
[はい。そのつもりですZ。]
他の隊士に[留守は任せたましたZ。]と書いて見せ、名字をチラリと見て外に出た。
名字も小走りでその後を追う。
「隊長どちらの方面へ向かいましょうか?!」
[今日は当番じゃないから、好きなところでいいですZ。]
名字のキャンキャンと騒がしい声が屯所から遠ざかっていった。
「何でお嬢がこんなところに。」
「ヤベェぞここまで来て見つかるたァ。」
「入隊しちまったモンは仕方ねェ、上手くやるしかねぇな。斉藤にも疑われてる。」
「アレが完成しねェ前にここを潰さねェと。」
ある男が草臥(くたび)れた内偵日記帳をパシンっと机に叩きつけた。
衝撃でパラリと日記帳は開く。
そこには三人と名字の名前が書き連ねてあった。
- 13 -
*前
次#