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今日も、いないものとされている。
やはり花瓶の中身は取り替えられていて、椅子は戻っていない。
立ったまま授業を受けるのだが、かばんからノートを出すことすら億劫だ。どうせ、先生から当てられることは無いようだし、成績がただ下がるだけの事だからぼんやりと、そのまま窓の外を見つめる。
雲が流れてゆく様子を見て、ああ、自分もあのようにのんびりと漂えたならばどんなに良いかと空想をする。
けれど。どうしても。
唇が震えた。
――安達。何故、こちらを見るのか。
最初に始めたのはこいつのはず。下らない理由。彼の話をたまたま聞いていなかった、ただそれだけで翌日には無視をされて。
いつの間にかそれにクラスの皆が乗っかった。
一人の世界は安定していて、そこに何の波風も立たないと思っていたのに……結局は生きてゆく上で誰かと繋がらなければならないのだと、思い知った。
ただ無視をされるそんなことがこんなにも、自分の心をずたずたに引き裂いてゆくとは予想もしていなかった。
もっと強い人間だとそう思っていたからだ。
でも実際は、自分がごみくずのようになってしまったような感覚が襲ってきて、とても苦しくなる。
全てが崩れてしまえばいいのにと、青い空へ呪う。
心に膿がたまってゆく。それを吐き出そうとしても、どうにも、胃液しか出なくって。
何故か毎日のように屋上へ行ってしまう足が、冷たい。
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