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 馬鹿だ。

 どいつもこいつも、俺も。

 安達といつも一緒にいた。だから彼の隣が自分のものだと疑わなかった。

 それなのにいきなり、石井に告白をしたのだとぬかされて。

 俺のものなのに、勝手に他の奴へ目を向けていたのかと、苛立った。

 好きとかそんなのはどうでもいいじゃあないか。

 ただ二人でいつまでも楽しく過ごしていたかった、それだけ。

 ――気に食わない。そんな理由で、クラス中に噂を広げた。

 人望の厚い安達が無視をされたと聞いただけで、皆が俺に賛同をして。

 空気のように扱われる石井を見るたびに、髪の影へ嘲笑を隠した。

 でもまさか、いなくなるなんて。

 屋上から飛び降りるだなんて、思ってもみなかった。

 死んだ。

 それを聞いた時は、邪魔な奴がいなくなってせいせいしたとため息をついた。

 また以前のように戻れるのだとそう期待をした。

 しかし――笑顔が。

 安達の顔から消えて。

 毎日辛そうに、石井の居なくなった机を見つめる。

 こんな風にしたかった訳じゃあないのに。

 あの日から感じていた苛立ちがまだ、消えない。

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