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相澤くんが、いつものゼリーではなく弁当を食べている。それも栄養バランスの整った、おいしそうな弁当をだ。少し気になり、聞いてみれば「あいつの出勤日なんで」と言う。

「あいつ?」
「オールマイトさん、教員名簿は見ました?」
「あぁ、一通りは・・・・・あ」
「妻がサポート科で非常勤講師してるんで、出勤日は弁当なんです」
「愛妻弁当ってやつだな!!うらやましい!!」
「・・・・・」

いつも通りで特別反応のない相澤くんとは、やはり合わないなと再度思う。むしろ昼食を邪魔されて面倒くさそうな顔をされた気がする。

「オールマイトさん!!お久しぶりです」
「ニーナくんじゃないか!!」
「覚えてましたか!ありがとうございます」
「引退してから随分経つが、相変わらず君は綺麗だな!」
「褒めても何もでませんよ」
「いやいや、率直な感想を言ったまでだよ。しかし、こんなところで再会するなんてな」
「えぇ、オールマイトさんが教師としてここへいらっしゃるって聞いて私も驚きました」
「ニーナくんはここで何を教えているんだ?」
「教えているというよりは、サポート科の生徒の手伝いですね」
「サポート科か!!サポート科・・・」
「どうかしました?」
「いや、さっき相澤くんの弁当の話を」
「消太さんの弁当?私が作ったやつですか?」
「私が作った・・・?!」
「あのオールマイトさん、彼女が俺の妻です。相澤新零、教員名簿に名前あったでしょう」
「はっ!!君が相澤くんの!!」
「えぇ、引退して、しばらくしてから」
「そうだったのか!!」

彼女のアイドル時代に一緒に仕事をしたことが何度かあったが、まさか相澤くんと結婚しているとは思いもしなかった。隅に置けないな相澤くんも、こんなかわいい奥さんもらうなんて!!しかし、全然人妻には見えないぞ!!

「結婚したら、芸名に近くなったんですよ」
「確かに、“あいざわ”と“あいかわ”か」
「はい」

幸せオーラを放つ彼女に、こちらも心が温かくなった

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