13 「先生、見つかったか?」 「いや、姿を見たという奴もおらん どこかに隠れているやもしれん・・・」 「匂いとか妖気で辿れないのか?」 「無理だな。もともと力の強い妖だ そのあたりは、抜かりがない」 名取さんと探した時も姿を見つけることができなかった もしかしたら、また、妖を襲って・・・ 夕飯の時間に一度家に戻り また、探しに出かけた 初めに会った岩陰や 他で見かけた場所へ向かうもののいる気配がない 「・・・・っ!」 「先生?」 「この気配は、あの小僧・・・妖の血の噂でも聞きつけたか」 「まさか、的場さんが来て」 そうなれば、あの人が手をかける前に見つけなければ、取り返しのつかないことになる 「夏目、罠に気をつけろ・・・」 「先生こそ」 ←→ 目次 |