「なぁ、しらたまの家族の事って聞いてもいい?」

ある時、コウタが榊博士の講習中に囁くようにそう聞いた。しらたまは苦笑を零してから囁く。

「講習中ですよ、コウタくん」
「や、なんとなく気になっちゃってさ」
「私、弟いるんですよー」

しらたまはあくまで小さな声で話ながらもコウタに答えた。
コウタは目を開いてびっくりしているようだった。

「弟いたんだ、しらたま。
 なんかしらたまって一人っ子なイメージあったから」
「そうですか?
 可愛いですよ。年子で1歳しか違わないんですけど『ねぇさん、ねぇさん』って」
「へぇ…そうだったんだ。見てみたいな」

コウタが表情を緩める横、しらたまはにっこりと微笑んだ。

「任務中は『糞がなめんな!』とか『もう終わりか、バケモノちゃんよぉ!』とか、ちょっと口が悪いんですけど…」
「へぇ…。今、絶対会いたくなくなったよ」
「君達、講義はまだ続いてるんだけれどなぁ」


(家族)

ボイス2の姉と、ボイス18の弟

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