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「結果的に任務は成功。ターゲット死亡」

「了解。お疲れ様」

「では、失礼します」

「あ、待って」




何、と振り向いた瞬間、いつの間にか私の後ろにいた綱吉が私の腰を引き寄せて体が密着する。
一体何の冗談なんだか。冗談だとしても、面白くない。
離して、と睨もうと綱吉の顔を見上げて―――、硬直。

綱吉は冷たい色を灯した瞳で私を見下ろして、冷笑していた。
どこかゾッとするような笑顔……
何を考えているのかわからなくて、感情さえ読めない。




「ねぇ、この痕…誰の?」

「っ、……っ」




ツゥッと鎖骨をなぞられて思わず出そうだった声を必死で咬み殺す。
何で綱吉の前で甘い声を出さないといけない、…出したくない。
でも私の体はまるで金縛りにあったように動けずにいた。
それをわかっているように綱吉は一つだけ私の釦を外してギリギリ胸が見える位置までずらす。

一、二、三、四……それ以上あるな。
ふぅん、こんなに付けるってことはかなり執着してるね。
こんなことするのはリボーンくらいだから…あ、リボーンとヤった?
クス…翠徠だったらすごくいい声で鳴くんだろうね?

そう甘ったるい、まるで麻薬のような声で囁く。
誤魔化すことなんて慣れてる。今回もはぐらかせばいい。
そう頭が警報と共にいっているのに、私の口は開こうとしない。

何で……動け、私の口。違うって否定しろ!

(そう叫んでるのに、私は黙って力がどんどん抜けていくのを感じるだけ)

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