変な考えを振り払うように神経を研ぎ澄ませ、コンビニを見つめる。ふ、と頭の中で光る何かを見つけた。


「あの中には、タグがある、!」
「そウみたイだネ。…アグモン。君たチに任セてモ?」
「ああもちろんさ!…栞が言うのなら、ここにタグがある!太一、ここは僕たちに任せてタグを探して!」
「頼んだぞ、アグモン!」

「行かせないぞ!!」

「ヘン!そんなドリルなんて怖くないやい!」


 初めの時よりも、進化するときのスピードは、確実に速くなっている。
 それはパートナーとの信頼が大きいからなのか、ただ単に彼らのレベルがあがったからなのか。


「ゴマモン進化ぁ!…イッカクモン!!」
「生意気なぁ…!くらえ、ドリルスピンっ!」


 イッカクモンの大きな角と、ドリモゲモンのドリルが大きく衝突する音が聞こえた。


「今のうちだ!」


 隙をついた子供たちはコンビニを目掛けて走り出し、目的地にたどりついた時に、鳥もげモンの身体がコンビニの窓を突き破った。


「おいイッカクモン!手加減してやってくれよ!」
「ハープーンバルカン!」


 丈の声は聞こえていなかったのか、イッカクモンの強烈な技がコンビニ内で爆発し、あたりは煙だらけになった。


「ワテにもやらしてーな!…テントモン進化ぁ!…カブテリモン!」
「クラッシャーボール!」


 ドリモゲモンが繰り出した棍棒が、カブテリモンに向かって放り投げられた。


「カブテリモン!あの黒い歯車を狙ってください!」
「任せてくれなはれ!…メガブラスター!」


 それは見事なまでにドリモゲモンの背中に突き刺さった黒い歯車に命中した。悲痛な叫びをあげ、ドリモゲモンの身体は壁にあたった。
 そんな中、栞は何かを探すようにあたりをきょろきょろと見渡している。煙だらけのコンビニなので、目通しはよくはないはずだった。しかし彼女には全てが見えているようだった。


「ポヨモン…?」


 タケルの小さなポヨモンが、一人で何かを見つけたようだった。小さい隙間に入り込んだのを見て、栞はタケルの姿を同時に探した。

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