「幸村んちのご飯てやっぱり最高」
「ありがと」
「はー、毎日食べに来たい住みたい」
「毎日来られても困るし住まれても困る」
「またまた〜」
「……」
幸村の事いじり過ぎて本格的に嫌われそう。
「幸村〜なんか面白い事ないの〜?」
「布団敷くの手伝ったら?」
夕飯を食べ終わり俺もお風呂借りて今は幸村の部屋でグダグダしている。俺が幸村のベッドの上でごろごろしていたら幸村が布団を敷きだした。
「え、なんで布団」
「お前布団で寝るだろ?」
「待て待て待てい。いつも一緒に寝てただろ」
「何言ってんだよ170超えてる男が二人で一つのベッドに寝るとか無理あるだろ」
幸村が今更な事言ってきて戸惑う。こないだ、っても、まー、一年以上は経ってるけど幸村んちに泊まったら普通に幸村と一緒に寝てたし。
「なんだよなんだよ。…まあ俺も幸村に甘え過ぎちゃってたからな、そろそろ幸村立ちしなきゃな」
えーん、と泣き真似をする俺。仕方なしに幸村の手にしている布団を自分で敷こうと掴んだ。
「俺は…」
「ん?」
「俺はお前が…名前が変わっちゃったんじゃないかって、知らない間に大阪に行ってたし。名前は元々まめに連絡する方じゃないけどさ、それこそ連絡が減って来た時はあぁ、向こうでの生活が充実してきたんだなって思ったし。俺らの知らない所で新しい生活してるお前が遠い存在になっ」
バカだなーって。俺は最後まで言わせなかった。言いたい事は理解したし。
とりあえず幸村の腕を掴んで一緒にベッドに倒れこんだ。
「幸村ー、お前は俺より頭がいいのにバカなんだな。」
「……っ」
「久しぶりにあった今日の俺変わってた?どう思った?昔と違う?それとも相変わらずだなって思った?前と同じで図々しくて適当人間の俺だと思った?」
「………」
「それでも遠くに思えるなら、俺は今こんなに近くにいるんだから。近くにいる俺を感じてよ」
幸村は繊細だから、少し神経質なんだよ。俺の適当さ見習え!!
幸村の頬っぺにちゅーしてそのまま抱きついてやった。今夜俺はこうして寝るぞ。うん。
幸村から鼻をすする音が聞こえた。
131009
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