「……んー」
「名前起きなよー…って、起きなくてもいいけど俺は部活行くよ?」
目覚まし時計の軽快なピピピピという音に起こされる。が断固としてベッドに寝たままになる俺に幸村が体をゆする。
「来るの?部活」
「んー…眠い…」
「まだ寝てるの?じゃあ来るなら後からでもいいから。俺は遅刻出来ないから先に行ってるよ」
「うぃー…」
朝が滅法弱い俺は布団にくるまった。部活も見に行きたいし、立海大の学校内も見たいし。部外者?一応元立海生って事で大目にみてくれよ。
「やっほー」
「あ、来た」
「服、適当に借りちゃった」
「いいけど…タイプ違いすぎ」
「身長似てるからサイズはピッタリかなー」
さすがにスウェットで外に出るわけにもいかないので幸村の私服を拝借してしまった。幸村ってなかなかオシャレだしわりと大人びた服着るから俺が着るとかなり似合わないかも。
「あ!名前ー!おはよー!」
「ブンちゃんおはよ〜」
「何、お前!系統変えたの?!」
「これ幸村の」
「なるほどねー」
「俺細身だから着れるけどブンちゃんじゃ無理だね」
「うるせー!!」
ちょっとした冗談でもムキになるブンちゃんが好きです。
「ちょっとふらふらしてくるわ〜」
「私服で?」
「ま、顔パスで」
「名前は無駄に目立ってたからなー」
「ブンちゃん、無駄って言うな」
「顔パスって、今は立海生じゃないじゃん?大丈夫なのかよい」
「大丈夫だよー、俺だもん」
「なんだそれ」
「じゃ、いってきまーす」
「変なことしてこないでよ?」
「しねーよ!」
変なことってなんだ変なことって。どんだけ俺ダメな奴だよ…って無計画に地元帰る所とかか…。それはしょうがない。
懐かしい校舎やグラウンドをちょっと見て回る事にした。
131027
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