一人の夜、仲間と一緒の夜
「皆さま、ハンター試験お疲れさまでした。次の試験会場まではまだ日がありますので、船内でごゆっくりおくつろぎ下さい」
「よっしゃー!やっと寝られるぜ」
「なお、お部屋は1部屋につき1〜2名様で収容させていただきます。相部屋になる方は各々で決めて下さい」
飛行船内にハンター委員会のアナウンスが響き渡る。
次の試験会場までは自由時間のようで、オレとレオリオは安堵して早々に部屋へ行き、クタクタになった体を休めようと考えた。
そのためにはまず相部屋になる相手を決めなくてはならない。
予想はついていたが、ゴンとキルア、オレとレオリオ、そして#name#は一人で一つの部屋を使用することになった。
ゴンもキルアもレオリオも#name#と相部屋になりたいと抗議したが、さすがに#name#を男と二人きりにさせるのは危ないと思いこのような配置で落ち着く。
…本心を言うなら、オレも#name#と相部屋になりたかったが、皆が居る前ではさすがに言えず押し黙った。
仮に言ったとしても凄まじいブーイングが起こるのは間違いない。
「そんじゃまぁ今日は疲れたし、それぞれの部屋で休むとするか」
「ゴン、せっかくだから船の中探検しようぜ」
「うん、賛成!」
「では#name#、ゆっくり休んでくれ」
「あ、うん」
ゴンとキルアは船内の詮索、オレとレオリオ、#name#は部屋で休息を取ることにした。
ーーー…
ーーーー…
ーーーーー…
お風呂にも入り、オレは部屋のベッドで上体だけ起こして本を読んでいた。
本は読めば読むほど色々な知識、情報を頭に入れることが出来るから非常に為になる。
お風呂から聞こえてくるレオリオの鼻歌が妙に鼻につくが、あまり気に止めることもなく読書に意識を戻す。
それから間もなく、レオリオが気分を良くしてお風呂から出て来た…のだが。
下半身にタオルを巻いていたのならまだ許せたのだが、まさかの全裸姿で風呂場から出てきたためオレはその姿に拒絶反応を示す。
そしていけないとは分かっていたもののついカッとなって手が出てしまい、気がつくとレオリオの顔が軽く変形するくらい殴打していた。
少しやり過ぎてしまったような気もするが、全裸で部屋に入ってくるなど言語道断。
下品なモノを目の当たりにして本を読む気が完全に失せたオレは、部屋の電気を消して早々に眠りに就こうとする。
その時、静寂化しつつあった部屋に扉をノックする音が響いた。
意外な場所から発した音にオレとレオリオは横になっていた体を起こし、消した灯りを再び点ける。
「ったく…、誰だァ?人が眠りにつこうとしてるっつーのに」
「レオリオ!クラピカ!」
「って、ゴン?!…と、キルアと#name#も」
「…#name#?」
元々オレに殴られて腹が立っていたレオリオ。
その上、更に眠気を強引に覚まされてしまいブツブツ文句を言いながらも部屋の扉を開けた。
開けて一番にレオリオの目に映った人物はゴンだったらしく、続いて傍に居たであろうキルアと#name#の名前も呼ぶ。
ゴンが居ればキルアも居るのは当然だが、そこに#name#も居るというのが引っ掛かった。
好きな女性の名前を呼ばれ、そしてすぐそこに居ると知ったオレは彼女の名前を口に出す。
ベッドから降りてレオリオに続き扉の先を見ると、いつもの服装よりも軽い姿のゴン、キルア、#name#が居た。
ゴンとキルアは昼間と変わらず元気そうだったが、#name#の方はどこか浮かない顔というべきか、普段より少し陰があるような表情をしている。
何かあったのかと心配になり、#name#に元気がない表情の理由を訊くことにした。
「#name#、何かあったのか?」
「あれ?クラピカ…オレとキルアも居るんだけど…もしかして見えてない?」
「クラピカは#name#が大好きだからしょーがないって」
「んで?#name#、どうかしたのか?」
「あ、うん…寝てるところごめんね。部屋が一人だからなんだか寂しくて…」
「そういうこと。だからみんなで集まろうってなったんだよ」
「…なるほど」
訊くと#name#は体調が悪いというわけでもなく、かといって何かあったわけでもなく、相部屋が居ないために人肌が恋しくなったらしい。
確かに我々を含めて他の受験者も二人で一つの部屋を使用していて、一人で一つの部屋を使っているのは#name#だけ。
もちろんこれはたまたまで他にも女性の受験者に声をかけたようだが、その女性は既に他の受験者と相部屋になっていたという。
ご飯を食べ終えお風呂にも入ってベッドに入ったようだが、やはり一人というのは孤独感があるもので、なかなか寝付けなかったらしい。
そして今に至る。
最初に頼ったのがオレではなくゴンとキルアというのが少しモヤモヤしたが、過ぎたことを言っても仕方がない。
「…そうだな。では、#name#が眠くなるまでゲームでもして過ごそう」
「はーいはい!オレ、トランプやりたい!」
「トランプねぇ、嫌でもヒソカの野郎を思い出すぜ」
「レオリオはヒソカにケガ負わされてたもんね」
「みんな…ありがとう…!」
笑顔で我々に礼を言う#name#にオレは安堵し、#name#たちを部屋へ招き入れた。
一人の夜、仲間と一緒の夜(前編)
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