ハプニング01
「ふぅ…。酷い目に遭った…」
ハンター試験も二次まで終わり、今は委員会が出している飛行船の中に居る。
先ほど飛行船に受験者ではない者が侵入し、色々と事情を聞いてレオリオと共に情状酌量の余地があるのでは、との意見をしに試験官の部屋まで赴いた。
試験官の居る扉を叩いても応答がなかったため、疑問に思ったレオリオはそのままゆっくりとその扉を開けたその時。
おそらく本人の返事を聞かないままドアを開けようとしたのが原因だろう、二次試験官のメンチが包丁を持って立っていた。
ただ話をしに来ただけなのに色々とタイミングが悪く夜這いの容疑をかけられ、完全に気が立っているメンチは我々の話に耳も貸さずに包丁を振り回しながら追いかけてくる。
だがメンチの足は早く、やがて追い付かれてレオリオが二人分の罰を受けることに。
今はあまり移動しない方がいいと判断し、互いの部屋に戻ることにした。
自分の部屋に戻り、メンチに追われて疲労感に襲われていたオレはすぐにベッドへ飛び込む。
ただ話をしようとしただけだというのに本当に散々だった。
枕に顔を埋めていると、安らぎをもたらすような香りが部屋内に漂っていることに気付く。
…オレの部屋はこんな女性らしい香りはしなかった。
不思議に思い辺りを見渡してみると、見覚えのあるリュックが机に置かれているのが目に入る。
そのリュックはオレが好きで焦がれている仲間、#name#のものだった。
「…まさか」
自分の中に感じていた疑問が確信に変わった瞬間だった。
間違いない、ここは自分の部屋ではなく#name#の部屋。
ベッドに潜った時には全く気付かなかったが、耳をよく澄ませてみると脱衣場の方からドライヤーを使用している音が聞こえる。
…マズい。
ドライヤーの音が聞こえるということは#name#は髪を乾かしていて、おそらくそれが終えたらこちらに来るはず。
居るはずのない人間が部屋のベッドで寛いでいたら、さすがの#name#も腹を立てるに違いない。
オレは急いでベッドから降り、彼女の部屋から出て行こうと扉の方へ向かう。
しかしそれとほぼ同時に稼働していたドライヤーの音がしなくなり、次の瞬間には脱衣場の扉が開いてしまった。
「あれっ?クラピカ?!」
「……#name#…っ!」
罪悪感は残るものの、なんとか#name#がここへ来る前に出ることが出来ればセーフと考えていたが、やはり現実はそう上手くいかないらしい。
想定していた最悪の事態になってしまった。
鉢合わせしてしまった#name#とオレ。
オレはもう少し早く気付いて出ていればと後悔し、彼女はおそらく誰も居るはずがない自分の部屋に人、まして男が居るだなんて思いもしなかっただろう。
しかも#name#はタオル1枚を体に巻いている状態で出てきた。
メンチもそうだったが、年頃の女性だというのに何故タオル1枚で部屋を移動しようと思うのか謎だ。
完全に一人だから大丈夫だと思ったのだろうか…、それにしても無防備すぎる。
互いに無言で見つめ合うが、少なくとも#name#は目を丸くしているくらいで悲鳴を上げたりしないのが有難い。
タオルだけの#name#は当然だがいつもより肌の露出が多いために目のやり場に困るが、彼女の目を見たり肩を見たり足を見たりと、自分の目の動きがどうにも落ち着かずにいる。
おまけに幼い顔の#name#からは想像もつかないくらいの大きな胸が一瞬だけ見えてしまい、オレは自分の欲を抑えるのに必死だった。
とにかくこれ以上ここに居たら本当に危険だと判断し、彼女と目を逸らして部屋を出て行こうとする。
「す、すまない。部屋を間違えてしまった。…失礼する」
「あ……。…待ってクラピカ」
「?!……な…っ、」
「わ…、わわ…っ?!」
立ち去ろうとするオレの腕を#name#が咄嗟に掴む。
まさか止められるとは思っていなかったオレは驚いたのと、急に引っ張られた拍子でバランスが崩れた。
#name#に覆い被さる形で倒れると悟ったオレは、彼女の頭を掴んで直にぶつからないように倒れ込む。
床に転んで少し経ちゆっくり目を開けると、予想はしていたが目の前には#name#の可愛い顔があった。
オレの手が下敷きになっていたため彼女が頭を痛めたりしている素振りはない。
それに安堵しピッタリとくっついている体を離して起き上がると、こればかりは予測していなかった状態が発生する。
倒れた衝撃だと思われるが、纏っていたタオルが剥がれており#name#は全裸状態になっていた。
想定外の出来事に動揺し、自分の顔が生きてきた中でも一番と言っていいほどの熱を帯びる。
目を離さなければならないのに、オレの目線は常に露になった#name#の体をずっと捉えてしまっていた。
ハプニング
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