二人きり
#name#は周りからとても好かれる女性だ。
天真爛漫で優しく常に笑顔でいるから、一緒に居るとオレ自身、とても落ち着く。
ゴンたちも#name#に対して同じことを思っているように見える。
男と同じように色々な性格の女性が居るが、#name#はこれまでに出会った女性の中で一番キレイな心を持っている気がした。
誰に対しても優しく接し、誰かがケガをしたり元気がなかったりすると本気で心配してくれる。
復讐することにしか心を燃やしてこなかったオレが、傍に居ると安らげる唯一の存在。
「#name#はこのメンバーの中で誰と居るのが落ち着くんだ?」
「え?んー…、みんな同じくらい好きだからなぁ…」
「…そうか」
今ゴンたちは街へ調べものに行っていて、周りは#name#とオレの二人だけ。
ちょうど待つのに適している広場があり、そこのベンチに腰をかけてゴンたちを待っている。
オレも街へ行って訊き込みなどをした方が効率が良いのだが、さすがに#name#を一人には出来ない。
…というのは建前で、本当は#name#と二人になりたくてここに留まった。
ゴンたちとハンター試験会場まで一緒に旅をしているのだが、なかなか#name#と二人で居られる機会がない。
なんとか二人になれないものかと思っていた矢先、街への訊き込みや調べもののため二手に別れて探索することになった。
女性を歩かせるのはあまり好きではないため、#name#は街の広場で待ってもらうことになる。
そこで誰が残るか揉めたあと、オレが一緒に彼等を待つことになった。
待ち時間が長くなりそうだったため、近くのカフェで飲み物を買い、それを飲みながらゆっくりと待つ。
ただ待つのも退屈なために、普段から気になっていたことを訊いてみたりしていた。
「ゴンたちも思っているが、私は#name#と居るととても落ち着く」
「え、本当に?嬉しいなぁ…」
オレが気になっていたこと。
それは、#name#はメンバーで誰と居るのが安心するのか、ということ。
答えは一人一人、同じくらい好きなようで、結局"一番"の人物は分からなかった。
もっとも、オレもゴンたちの中で誰が一番か、などと訊かれたとしても答えは出せないだろう。
#name#もゴンも、キルアもレオリオも、同じくらい大切な仲間なのだから。
だがオレはいつからか仲間としてだけではなく、#name#のことを一人の女性として見ていて、一人の女性として好きになっていた。
「…#name#」
「ん?どうしたのクラピ、カ…」
自分の気持ちを#name#にも知ってほしいとの思いから彼女の手を握った。
突然のオレの行動に#name#はかなり驚き、動揺しながらも目を丸くして私を見つめる。
そしてすぐに目線を下に移されてしまった。
困ったような顔をしながら頬を紅く染めるその姿は本当に可愛らしく、今すぐにでも#name#の全てを奪ってしまいたいほど。
#name#の表情を見ていると理性が切れそうになるが、なんとか自分の中にある欲を抑えている状態だ。
この張り詰めた欲情の糸はかなり脆く、いつ切れてもおかしくはない。
恥ずかしいのか、それともずっと見られて緊張しているのか、#name#の目は常に伏し目がちで目線は地面に向けられている。
今のところ、オレと目を合わせるつもりはなさそうだ。
そんな彼女を見て少し意地悪をしたくなったオレは、手を握る力を強めて半ば強引に#name#の唇に自分の唇を重ねた。
「っ!?んん…っ、ク、クラピカ…っ」
「…#name#、好きだ」
「えっ…」
「好きだから…君の全てが欲しくなる」
#name#を見ていたらやはり理性が利かなくなり、だいぶ強引な行為に及んでしまった。
彼女が痛くならないくらいの強さで手を握り、また顔を近付ける。
耳まで真っ赤になっている#name#が可愛くて、ここは広場だというのにまた#name#の唇にキスをした。
人間の理性というのは本当に脆く、少しのことで簡単に切れて我を忘れてしまう。
ただでさえ好きな女性と居るだけで理性がギリギリなのに、恥ずかしそうな表情などをされたら一塊もない。
オレを突き飛ばして逃げてもいいのに、#name#は相変わらず目を伏せて動こうとはしない。
その対応で、#name#は恥ずかしそうにしながらもこの状況が嫌というわけではなさそうだと期待してしまう。
…しかし、そろそろ止めてくれないとこのまま更に続きをしてしまいそうだ。
自分ではもうどうにもならないところまできていた。
「#name#、嫌なら私を蹴って逃げてくれ」
「え…」
「オレは今…自分で自分を抑えられない…」
「……………」
「#name#から離れてくれないとまた君を…」
「……いいよ」
「…?」
「クラピカなら…いいよ」
そう言って#name#は恥ずかしそうに、力強く目を瞑る。
…困ったな。
まさかの返答に戸惑うが、とても嬉しいのも事実。
本当にいいのかと少し迷ったが、#name#本人がいいと言っているのだからそれが答えなのだろう。
仮に今更イヤだと言われても止めることは出来ない。
オレは#name#の返事で頬が緩み、今度は少し長めの口付けをした。
二人きり
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