未定
「クラピカってさー、#name#のことすっごい好きだよね」
「ぶっ…!!ゴ、ゴンっ!何を言って…」
「あぁ、#name#を見る目が違うからな」
「分かりやすいよなー」
「な…っ、」
今はハンター試験の最中。
2次試験が終わり、目的地に到着するまではこの飛行船の中で自由に過ごしていいとのこと。
1次試験はとにかく2次試験会場までずっと走りっぱなし。
2次試験は試験官が二人居て、一人は指定された食材を提供、もう一人は試験官の指定する料理を作ることだった。
試験官を激怒させて一時は受験者が全員落ちるというトラブルがあったが、ネテロ会長の説得で試験はやり直し。
無事に2次試験も合格することが出来た。
そして今は3次試験の会場に飛行船で向かっている途中。
ゴンとキルアは飛行船の中を探索していたが、一通り周り終えたようで我々のところに戻ってきた。
#name#はというと1次、2次試験の試験官たちと意気投合したようで、試験官専用の部屋に行っている。
特に女性の"メンチ"という試験官と息が合うらしく、同性ということもあってか楽しそうに会話をしているようだ。
正直、気が強いあの試験官と穏やかな性格の#name#が共感しあえることが不思議で仕方ないのだが、やはり女性同士なので色々なところで気が合うのかもしれない。
「多分、気付いてないの#name#だけなんじゃないかな」
「#name#はかなり鈍感だからなー」
「それを良いことにお前は#name#にベッタリしすぎだぞキルア」
「だって#name#かわいいからさ」
「…………………」
そして今は、船内にある少し大きめの広場で#name#を待ちながら、試験の感想やらどの受験者が気になるかなどの会話をしている。
そんな時にゴンがいきなり冒頭の発言をしたため、そしてゴンの言葉があまりにも的を得ていたため、オレは図星で飲んでいたお茶を喉に詰まらせてしまった。
ゴンの言う通り、そしてキルアやレオリオにも気付かれている通り、オレは#name#のことが好きだ。
最初は単純に仲間の一人だったのだが、一緒に試験会場まで旅をしていくうちに彼女のことが気になってしまい、この思いが柄にもなく恋愛感情だということに気付く。
試験中もつい#name#のことが心配で、常に近くに居てケガをしていないか見守っているくらいに。
試験に合格してハンターになるのも大事だが、#name#の身の方が何よりも大切だ。
仮に今回の試験に受からなくても来年また受験すればいい。
「もう見てて焦れったいからさ、告白しちゃえば?」
「うん!#name#とクラピカお似合いだと思うなー」
「確かに、#name#が幸せになるならお互いくっついちまった方がいいかもな」
「…何故そういう話になるんだ」
オレの気持ちに気付いているからと、ゴンたちはまたとんでもない話を持ち掛けてきた。
キルアは面白半分で言っているし、ゴンとレオリオは本気でそう思っているのだろうがキルアの意見に同調している。
それ以降もゴンたちはオレの気持ちを他所に好き放題言っていたが、#name#にこの思いを伝えることは考えていない。
その理由は2つある。
一つは、自分は常に過去を追う者であり、未来がないからだ。
もしオレと#name#がお互い同じ思いだったとしても、私が長く生きるつもりがないため彼女を独りにさせてしまうだろう。
一緒に居る時間よりも独りになる年数の方がよっぽど長い。
独りにさせて寂しい思いをさせるくらいなら、他の男と添い遂げた方が#name#の幸せに繋がる。
#name#が他の男と一緒になる、というのは想像しただけでも辛いものだが、彼女の幸せを考えるならオレと居ない方がいい。
そしてもう1つの理由は…。
「みんなー!戻ったよー」
「あ!おかえり#name#!」
「しかしよくあの鬼試験官と話せるよなー。オレああいう女はイヤだ」
「キルアの言う通りあのタイプはオレも苦手だな」
「#name#、話は弾んだのか?」
「うん!すごい楽しかった!クラピカたちも来れば良かったのに」
「…いや、私は遠慮しよう」
#name#と過ごすこの穏やかな関係を壊したくないからだ。
思いを告げたとしても#name#の気持ちは分からない。
オレに好意がなく、別の男が好きかもしれない。
好きだと伝えて関係が気まずくなることだけは避けたい。
関係が破綻することを恐れて自身の思いも伝えられない臆病者だが、それでもオレはこちらの道を選ぶ。
#name#と、そしてゴンたちと話す時間が、オレにとって何より大切で楽しい一時なのだから。
ずっと今の時間を過ごさせて
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