図書室での秘め事
「即ち…ペーパーテストだ!!」
「「「…!!!」」」
「ペ…ペーパーテストだとぉ!?」
ハンター試験もようやく大詰めになり、残るはハンター協会が所有するホテルの会場で最後の試験が開かれる。
翌日に迫った試験、最終試験まで勝ち進んだ者たちは飛行船内の広場で集まり、試験の内容がどういったものなのかを模索していた。
その際、見た目からも熟練者なのが分かるポドロが発したのが冒頭の発言。
その言葉に広場に居た全員が驚愕して顔が崩れ、レオリオに至っては顎が外れるのではと思うくらい口を開けている。
レオリオだけではない。
ポドロの台詞がよほど衝撃だったのか、他の者も未だ微動だにせず凍りついていた。
あの戦闘狂のヒソカでさえ、ショックで遊んでいたトランプを床に落とす始末。
横目で隣に居た#name#を見ると、やはり他の受験者と同様かなり驚いていて声も出ない様子だった。
#name#はゴンと性格が似ていて、天真爛漫だが負けず嫌い。
そしておそらく…ゴンよりも天然。
だいぶ抜けているところが多々あるが、それは知識が浅い故なのかもしれない。
もちろんそんなところが可愛いのだが…。
「もし本当に最終試験がペーパーテストなら、オレ来年に期待しよっかなー」
「うーん、でもオレは早く親父に会いたいしなぁ」
「オレも早く医者になりてぇ…。こうなりゃ飛行船の図書室で今から猛勉強だ!!」
「レオリオ、まだペーパーテストと決まったわけでは…」
「そうだね!私も図書室に行って勉強してくる!」
「#name#…?!」
レオリオのやる気に感化されたのか、オレの言葉を最後まで聞かずに#name#とレオリオは猛スピードで図書室へと向かって行ってしまった。
…#name#はゴンに似ていると思ったが、人の話をあまり聞かないところはレオリオに似ているかもしれない。
ゴンとキルアは図書室へは行かず、ペーパーテストでないことを願って明日に備えるようだ。
オレはというと、…やはり#name#が気になるので図書室へ行った二人の後を追いかけることにした。
ーーー…
ーーーー…
ーーーーー…
飛行船内に図書室があるというのが少し驚いたが、これだけ大きい船内なら色々な設備が備わっているのだろう。
しかもなかなか立派な図書室だ。
おそらく#name#とレオリオは慌てふためき、一生懸命ここで勉強していることだろう。
二人のそんな姿を想像しながら存在感があるドアノブに手をかけ、ゆっくりと押して扉を開けた。
中はとても広く、たくさんの参考資料が本棚に並んでいた。
読んだことがない文献も揃っていて、本好きのオレにとってはとても興味をそそられる。
本心からつい本棚に手が伸びそうになるが、今オレがやるべきは自分の関心を優先することではない。
図書室の中を歩いていると、ポドロの言葉に促されたハンゾーやポックル、鉢巻を頭に巻いたレオリオが何かに取り憑かれているような目で本を読み漁っている。
話しかける雰囲気でもなく、オレの目的が彼等ではなかったため、この状況を見なかったことにして3人の存在を無視し更に奥へ進んだ。
少し行くと、窓際と向かい合うようにして設置されていた机に座る、#name#の後ろ姿が目に入る。
仕草を見るに勉強が行き詰まっているのだろう、頭を両手で抱えて少し唸り声を上げていた。
「#name#」
「うー…、ん?あれ、クラピカ?クラピカもテスト勉強しに来たの?」
「いや、#name#の後を追いかけて来たのだよ…」
声をかけると、少し涙目になっている#name#がオレの存在に気付いてこちらを見る。
机の方に目をやると数冊の本や筆記具が無造作に置かれており、あまり勉強には適していない環境。
レオリオたちと同じで、#name#も学習するというのはあまり向いていないようだ。
#name#自身もそのことを理解しているようで、オレを見てからは机に両腕を伸ばして顔を沈み込ませている。
自分の集中力が続かないことに滅入っているのか、#name#の表情は脱力していて。
こんなになるまで#name#を追い詰めたペーパーテストに対して嫉妬心が生まれてしまう。
#name#の頭は今、テストでいっぱいなのだろう。
…どうすれば明日のことを忘れてオレの方を向いてくれるか。
テストより試験より、オレで頭を埋め尽くしたい。
「#name#」
「んー?わ…っ?!」
「もうテストのことは忘れた方がいい」
「クラピカ…、ん…っ」
開いている窓から風が入り込み、それがカーテンを強く揺らしてバサバサと音を立てる。
同時に机でうつ伏せになっている#name#の頬に口付けをして、そして唇にもう一度キスを落とした。
恥ずかしさからか、#name#は目を強くつぶって耐えている。
唇を離してわざと余裕のある笑みを浮かべると、彼女の顔はみるみるうちに赤くなっていった。
もちろんオレに余裕なんてない。
本当は一度のキスで我慢しようと思ったが、#name#の可愛い表情を見たら欲が抑え切れなくなってしまった。
机の上に#name#の上半身だけを押し倒し、彼女の両手はオレの手で拘束する。
空を飛んでいるからか、地上に居る時よりも吹き付ける風が強く、オレの髪はかなり揺れて髪型が乱れていくのが分かった。
しかしそんなことはどうでもよく、組み敷いている#name#をこれからどうやって愛撫しようか考える方が大事で。
「あ、あの…クラピカ…」
「…静かにしていれば案外バレないかもしれないな」
「な…にするの……?」
「……性的な営み、といったところかな」
「えぇ…っ?!」
重なり合う目線、この空間にはオレと#name#以外にも居るという緊張感、それを紛らわすかのように吹く風。
全てが興奮剤となり、オレは#name#に顔を近付けてキスを繰り返し、彼女の服に手を伸ばした。
図書室での秘め事
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