仲間×恋愛×想い人02
ただ人間がベッドに横たわる音が、こんなにも緊張感に満ちたものになるとは思わなかった。
いつもなら何も感じないベッドが軋む音も、今は胸の鼓動を速くさせる材料になっている。
元々居たところがベッドということでそれがオレには吉となり、逆に#name#にとっては凶と出た。
#name#の両手を自分の両手で拘束し、まずは何もせずただじっと彼女の顔を見つめる。
この雰囲気に飲まれかけている#name#は、先程よりも少し表情を青ざめさせてオレを見つめ返してきた。
今の#name#はおそらく恐怖しか感じていないだろう。
「ク…クラピカ…」
「#name#、私はずっと…君が好きだった」
「…え?」
「私は#name#のことを一人の女性として常に見ている。仲間意識はない」
「………」
「いつも……。今だってこんな状況で…すぐにでも襲いたくなっている」
「クラ……、んん…っ」
怖がっていてそれでも何故か切ないような表情をする#name#に我慢がきかなくなり、オレはずっと自分の心中にあった気持ちをゆっくりと吐き出す。
伝えたいのに伝えられなかったもどかしさから解放されたのか、この状況で気持ちを吐露したら一気に心が楽になった。
それ故か、いつもなら心情的に不可能なことも出来てしまう、そんな気がしてならなくなって。
オレを呼ぶ#name#の声を遮りまた唇を奪ってしまう。
目を開けて眼前に居る彼女を見ると、相変わらず瞼を力強く縛って開けようとしない。
オレの顔を見たくないのか、それとも反射的にか。
苦しいからなのか、#name#は両手でオレの胸を叩いてささやかな抵抗を見せ始める。
#name#のこの行動がオレの理性をほんの少しだけ正常に戻し、彼女を窒息させないよう唇を離した。
ようやく待ちわびた酸素を手に入れ、#name#は激しく息遣いを繰り返しながら足りなくなった空気を体内に補給する。
とろけているような半開きの瞳からは透明な滴が溜まり、今にも溢れて頬を伝いそうだった。
零れ落ちないように涙を舐め取ったあとは、またキスの嵐を顔中に降らす。
額、瞼、頬、鼻、顎、唇。
今までずっと抑制させていた欲が弾け飛び、その姿はまさに狂人と言えよう。
「ま、待ってクラピカ…っ、私はゴンが……」
「知らない」
「…っ、」
「ゴンは君のことを仲間としてしか見ていない」
「な、なんでそんなこと言うの…、」
「叶わない気持ちをずっと抱いていても…虚しいだけだろう」
自分の両手で拘禁していた#name#の両手首を今度は片手だけで掴み、もう片方の手で彼女の頬を触る。
こんな状況になってもゴンの名前を放つ#name#に少し苛立ち、わざと意地悪な発言をしてみた。
…いや、意地悪などではなく事実を淡々と述べたに過ぎない。
オレは#name#のことをずっとこの目で追いかけてきた。
#name#がゴンと一緒に居る姿も、心に引っ掛かりを覚えながら見てきた。
そして、#name#に対するゴンの対応や表情も見てきた。
だから、#name#とゴンとの関係はおそらく実らないであろうということも、なんとなく分かっていたこと。
もちろんオレの知らないところではどんな顔をして話しているかは分からないため、不安な気持ちもあった。
だからこそ、ゴンが彼女の思いに振り向かなかったと聞いてとても安堵した。
それでも#name#の口からはゴンの名前が出る。
だから、不親切ながらもゴンには気がないことをわざわざ言って聞かせた。
そう、#name#の願いは永遠に叶わない。
…逆に言えば、オレの思いもきっと叶わないだろう。
#name#がゴンを好きでいる限り。
「#name#…好きだ…」
「クラピカ…」
「ゴンのことは忘れて…私だけを見てくれ」
「そ、んなこと…っ、わ…っ」
「#name#、可愛い…」
「…っ、ん、んんぅ…っ」
#name#の気持ちは充分に理解しているつもりだ。
好意を抱いている相手に振り向いてもらえず、他の誰かに好きと告げられても上の空だろう。
それでも意識をオレに向けてほしい、強引でもオレで頭を埋めてほしい。
全く#name#の気持ちを考えられない浅はかな自分、だが己の理性を断絶することは難しかった。
先にもたくさんキスをしたというのにまだ飽き足らず、もっともっとと体も心も#name#を求めている。
このままただの口付けだけで満足できるはずがない。
抑えきれない欲が更に高みへ昇り、オレは彼女を押し倒したまま自分の左膝を#name#の下半身に押し付けて刺激する。
そして唇を触れさせるだけだったキスを止め、自分の口で#name#の口をこじ開けて彼女の口内に舌を侵入させた。
仲間×恋愛×想い人
- 35 -
*前次#
ページ: